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2015 年度 実施状況報告書

p53標的大型介在性非コードRNAの同定と機能解析による消化器発癌機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25460929
研究機関札幌医科大学

研究代表者

井戸川 雅史  札幌医科大学, 医学部, 講師 (00404749)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードlincRNA / p53 / 癌 / アポトーシス / non-coding RNA / lncRNA
研究実績の概要

In silico p53結合配列解析とクロマチン免疫沈降産物の次世代シーケンサー解析(ChIP-seq)により絞り込まれたゲノム上のp53結合領域近傍に存在する約150のlincRNA(大型遺伝子介在非コードRNA,lincRNA)の内,22のlincRNAがp53ファミリーにより発現誘導され,これらのlincRNAのp53結合部位配列を用いたレポーターアッセイを行ったところp53活性化により転写活性の上昇が認められた.これらの結果から,複数のlincRNAがp53ファミリーの標的となっていることが明らかとなった.
これらのlincRNAの中で,3つのp53ファミリーすべてで強く発現誘導が認められる3つのlincRNAについて肝癌細胞Hep3Bおよび大腸癌細胞DLD1においてsiRNAを用いたノックダウンを行い,アデノウイルスによりp53導入時のアポトーシス誘導能をフローサイトメトリー,Capspase-3活性の定量およびウエスタンブロットによるPARP-1の断片化を用いて測定した.その結果,2つのlincRNAではそのノックダウンによりp53によるアポトーシス誘導が減弱した一方,もう1つのlincRNAではアポトーシスの増強が認められた.更にp53正常型である大腸癌細胞RKOおよび骨肉腫細胞U2OSにおいてNutlin-3a処理により内因性p53を活性化した系においても,同様の結果が得られた.
これらのlincRNAがどのように機能してp53誘導アポトーシスに影響を与えているのかを調べるため,マイクロアレイを用いて網羅的な発現データを取得し,現在,得られたデータの解析を進めているところである.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

これまで計画通り順調に研究を進めていたが,研究計画の最終項目であるp53標的lincRNAの機能解析に少し時間を要している.このため補助事業期間延長の申請を行い,残りの解析を進めているところである.

今後の研究の推進方策

lincRNAノックダウン時のマイクロアレイによる網羅的発現データの解析を速やかに行い,その機能について明らかにしていく.

次年度使用額が生じた理由

研究計画最終項目であるp53標的lincRNAの機能解析に少し時間を要しており,研究計画延長の申請を行ったため.

次年度使用額の使用計画

p53標的lincRNAの機能解析を引き続き行う.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The CRKL oncogene is downregulated by p53 through miR-200s.2015

    • 著者名/発表者名
      Tamura M, Sasaki Y, Kobashi K, Takeda K, Nakagaki T, Idogawa M, Tokino T.
    • 雑誌名

      Cancer Science

      巻: 106 ページ: 1033-40

    • DOI

      10.1111/cas.12713

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Contextual niche signals towards colorectal tumor progression by mesenchymal stem cell in the mouse xenograft model.2015

    • 著者名/発表者名
      Nakagaki S, Arimura Y, Nagaishi K, Isshiki H, Nasuno M, Watanabe S, Idogawa M, Yamashita K, Naishiro Y, Adachi Y, Suzuki H, Fujimiya M, Imai K, Shinomura Y.
    • 雑誌名

      Journal of Gastoroenterology

      巻: 50 ページ: 962-74

    • DOI

      10.1007/s00535-015-1049-0

    • 査読あり
  • [学会発表] RNA-seqとChIP-seqの複合解析による非コードRNAを含むp53標的遺伝子の同定2015

    • 著者名/発表者名
      井戸川 雅史
    • 学会等名
      第74回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(名古屋市)
    • 年月日
      2015-10-10

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公開日: 2017-01-06  

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