p53の直接転写標的となる大型介在性非コードRNA(lincRNA)を同定するため,クロマチン免疫沈降産物の次世代シーケンサー解析(ChIP-seq)およびin silicoでのp53結合モチーフ検索を行った.その結果,p53結合領域の約半数がコード遺伝子間に存在し,その近傍に存在する23のlincRNAがp53により発現誘導されることを見出した.その内3つのlincRNAについて消化器癌細胞でノックダウンを行ったところ,p53誘導アポトーシスが変化し,特定の遺伝子クラスターの発現が促進された.以上からp53とlincRNAが腫瘍抑制において複雑な転写ネットワークを形成することが示唆された.
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