研究課題/領域番号 |
25460931
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
神谷 武 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10254301)
|
研究分担者 |
鵜川 眞也 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20326135)
鹿野 美千子 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70405190)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 酸感受性機械受容チャネル / 食道上皮 |
研究概要 |
食道上皮での存在が示唆されている、酸感受性の機械受容チャネルの発現と局在を解析することを目的に研究を行っている。すでに我々が発現と局在を明らかにして報告したTRPV4と同様の方法、すなわちマウス食道を摘出し、RT-PCR、ウエスタンブロットを用いて検索し、陽性を示したものについては形態学的解析として、タンパクレベルでの発現様式を免疫組織化学染色、mRNAレベルでの発現様式をDIG-in situ ハイブリダイゼーションで確認するという方法を用いて、候補となるいくつかのチャネルについて検討した。TRPV1については、RT-PCRでは陽性を呈したが、免疫組織化学染色、in situ ハイブリダイゼーションではいずれも食道上皮内での発現は認めず、食道上皮での存在は否定的で、おそらく粘膜下等の神経細胞との関連性が示唆される結果であった。ASIC-5については、RT-PCR、ウエスタンブロット、免疫組織化学染色で時に陽性を示す場合があり、その存在の可能性が考えられるもののまだ確定に至らず、現在何回もくりかえし実験を行い、その再現性を確認中である。Piezoに関しては、RT-PCR、ウエスタンブロットで陽性が確認され、これからその発現様式、局在を免疫組織化学染色、in situ ハイブリダイゼーションで検討する段階にある。当初予想したTRPV1の食道上皮での存在が否定的となったことは、胃食道逆流症の病態において、他の酸感受性機械受容チャネルの関与を考える必要性から、臨床的にも意義深い重要な知見となった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
食道上皮での酸感受性機械受容チャネルの多くの候補について発現、局在を確認した後、機械刺激応答、酸感受性、各種刺激に対するATP放出といった機能解析まで進める予定であったが、とりかかった一部のチャネルについてRT-PCR、ウエスタンブロット、免疫組織化学染色の結果の再現性にばらつきがみられ、このため発現様式、局在の確認に予定外の時間が費やされた。それゆえ当初予定していた、確認されたチャネルの機能解析まで、現状では進められていない。
|
今後の研究の推進方策 |
当初は、食道上皮での酸感受性機械受容チャネルの候補についてその発現、局在に関して多数のチャネルを対象とした網羅的解析を行う予定であったが、結果の再現性にばらつきがみられ、その確認のため現在計画がやや遅れている。このため網羅的解析から、解析対象チャネルの候補をある程度絞ったうえで、発現様式、局在、そして機能解析を行うことを現在検討している。
|
次年度の研究費の使用計画 |
食道上皮での酸感受性機械受容チャネルの多くの候補について発現、局在を確認した後、機械刺激応答、酸感受性、各種刺激に対するATP放出といった機能解析にとりかかる予定であった。しかし一部のチャネルについてRT-PCR、ウエスタンブロット、免疫組織化学染色の結果の再現性にばらつきがみられ、このため発現様式、局在の確認に予定外の時間が費やされた。それゆえ当初予定していた、確認されたチャネルの機能解析にとりかかるところまで現在研究は進んでおらず、この機能解析に予定していた経費が次年度使用額として生じることになった。 次年度使用額は、再現性の確認が十分でない一部の食道上皮での酸感受性機械受容チャネルの発現様式、局在の再現性の確認実験と、初年度に予定していた、発現様式、局在の確認されたチャネルの機能解析実験に対して用いる計画である。
|