研究実績の概要 |
1.平成25年度においては胃内フローラ解析には、Terminal Restriction Fragment Length Polymorphism (T-RFLP)法を用いて行い、ヒト胃ではLactobacilalles, BacteroidesおよびPrevotellaが主たる細菌種であることを見出した。しかし、T-RFLP法では得られる細菌種の情報が限定的であると判断し、平成26年度からは詳細で、大量の細菌情報が得られる次世代シークエンサーを用いた細菌16S rRNA遺伝子配列解析に変更した。 2.内視鏡下胃粘膜生検組織を用いた16S rRNA遺伝子解析を開始した。至適条件設定が完了後は、約9割の検体でPCRによる増幅が可能になった。次世代シークエンサーでの解析の結果、約40種の細菌が存在が明らかになった。患者がHelicobacter pyloriに感染している場合には約90%が本菌であったが、その他菌量が多い細菌としてはArthrobacter davidanieli, Prevotella melaninogenica, Ralstonia pickettii, Brevundimonas sp. BAL3, Streptococcus oralis, Granulicatella para-adiacens, Fusobacterium sp. 1_1_41FAA, Streptococcus sp. oral strain T1-E5, Gemella sanguinisなどが同定された。 3.マウスのH. pylori感染モデルを作成し、経時的な胃炎の悪化および菌量の変化、サイトカインの発現動態を確認した。現在、病理組織学的な検討を行っている。
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