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2016 年度 実績報告書

胃粘膜恒常性維持におけるムチン糖鎖の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25460934
研究機関北里大学

研究代表者

五艘 行信  北里大学, 医学部, 准教授 (20112659)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードムチン / 糖鎖 / グライコミクス / グライコーム / 胃粘液 / 質量分析 / ヒドラジン処理 / ピーリング
研究実績の概要

既に論文(Anal Biochem 496, 35-42, 2016)にて公表したムチン糖鎖切り出し条件のさらなる検討の結果,10μmolマロン酸の存在下,60℃,6時間の気相ヒドラジン処理により,ムチン糖鎖が最少の分解で切り出されることを,前年度に見出した。そこで,本年度,この条件で切り出したムチン糖鎖を蛍光標識後,親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)で分析して得られるグライコームが,従来行われている還元アルカリ分解で得られた糖鎖のメチル化体の質量分析で得られるグライコームと同じであるかどうかを,ラット胃から精製したムチンを材料にして検討した。その結果,両者は良い一致を示し,開発した方法により,ムチン糖鎖のグライコミクス解析が可能であることが明らかとなった。さらに,前者の方法では,後者の方法では困難な糖鎖の異性体も解析できることを見出した。
蛍光標識した糖鎖の解析には,取り扱いに若干の注意を要するヒドラジンの代わりに,アンモニア等のアルカリを使用する方法も報告されている。そこで,それらの方法との比較を行った結果,アルカリを用いる方法では,分解によって生じるアーティファクト糖鎖が混在することが明らかとなった。それらは,ムチン糖鎖のグライコミクス解析を誤らせる可能性があることも見出した。以上の結果は,論文としてまとめ,現在,投稿中である。
ムチン糖鎖取得法がほぼ確立されたので,当初の目的である部位特異的糖鎖の発現場所を特定する検討を開始した。部位特異的糖鎖を認識する抗体の探索を行うために,糖鎖をプラスチックプレートに固定し,反応する抗体を得ることを試みた。上記ヒドラジン法で得られた糖鎖にアントラリロイルヒドラジンを反応させて生じた生成物をプレートに結合する検討を行い,実験系をほぼ確立した。現在,抗体の探索実験を行っている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] A cysteine protease from Spirometra erinaceieuropaei plerocercoid is acritical factor for host tissue invasion and migration.2017

    • 著者名/発表者名
      Tsubokawa D, Hatta T, Maeda H, Miami F, Goso Y, Nakamura T, Alime MA, Tsuji N
    • 雑誌名

      Acta Tropica

      巻: 167 ページ: 99 - 107

    • DOI

      10.1016/j.actatropica.2016.12.018.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Discrimination of rat Brunner's gland carbohydrate antigens by site-specific monoclonal antibodies.2016

    • 著者名/発表者名
      Chimuro T, Kuroyama H, Goso Y, Ishihara K, Kurihara M
    • 雑誌名

      Carbohydr. Res.

      巻: 432 ページ: 76 - 82

    • DOI

      10.1016/j.carres.2016.06.010.

    • 査読あり
  • [学会発表] 放射線照射モデルを用いたH2受容体拮抗薬の効果2016

    • 著者名/発表者名
      川島 麗,香渡 優,川上文貴,前川達則,菅原節子,石原和彦,五艘行信,市川尊文
    • 学会等名
      第89回日本生化学会大会
    • 発表場所
      仙台国際センター/東北大学川内北キャンパス(仙台市)
    • 年月日
      2016-09-25
  • [学会発表] 弱酸存在下でのヒドラジンガス処理によるムチン糖鎖切り出し条件の検討および応用2016

    • 著者名/発表者名
      五艘行信,石原和彦,栗原 誠
    • 学会等名
      第35回日本糖質学会年会
    • 発表場所
      高知市文化プラザ かるぽーと(高知市)
    • 年月日
      2016-09-03
  • [学会発表] 5-Fluorouracil起因性消化管粘膜傷害に対する成分栄養剤の防御的役割2016

    • 著者名/発表者名
      香渡 優,川島 麗,川上文貴,石原和彦,五艘行信,市川尊文
    • 学会等名
      第44回日本潰瘍学会
    • 発表場所
      旭川グランドホテル(旭川市)
    • 年月日
      2016-09-02
  • [備考] 消化管粘液のバリアーとしての機能解析を目指して

    • URL

      http://web.med.kitasato-u.ac.jp/edurs/biochem/GI-tract-mucin.html

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公開日: 2018-01-16  

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