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2015 年度 実績報告書

pSmad2/3L-Thrに着目した消化管上皮幹細胞・癌化・再生機構の検討

研究課題

研究課題/領域番号 25460938
研究機関関西医科大学

研究代表者

福井 寿朗  関西医科大学, 医学部, 講師 (60402905)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード癌幹細胞 / 大腸炎関連大腸癌 / モデルマウス / pSmad3L-Ser / pSmad2/3L-Thr / 組織幹細胞
研究実績の概要

我々は幹細胞・細胞周期研究や疾患モデルマウスの知見を応用し、胃・小腸・大腸上皮における新規幹細胞マーカーとしてpSmad2/3L-Thr を同定し動態を明らかにした。この研究成果を発展させ、食道粘膜においてもpSmad2/3L-Thrが組織幹細胞マーカーになることを確認した。この結果を英語論文化し、Diseases of the Esophagus誌にて発表した。今年度は特にAOM/DSS大腸癌モデルマウスを作成し解析した。・AOM/DSSマウスはコントロール群と比較し腸管長が有意に短縮していた。・AOM/DSSマウスにおいて腫瘍個数は10週後と比較し、20週後で有意に増加していた。・腸炎のスコアリングではコントロール群と比較し、AOM/DSSマウスにおいて有意に高値であった。・Ki67、β-catenin、cyclinD1、Sox9陽性細胞は腸炎部においては正常部とほぼ同様であったが、腫瘍部においてはびまん性に発現が認められた。・pSmad3L-Ser陽性細胞は腸炎部と比較し、腫瘍部において有意に多く発現しており、かつ腸炎部においてはコントロール群正常部と比較すると有意に多く発現していた。・pSmad2/3L-Thr陽性細胞はコントロール群正常部およびAOM/DSSマウスの腸炎部においては、腺底部に散在性に発現が認められたが、腫瘍部においては上層に有意に多く発現しており、いずれにおいてもKi67との共染色は認めなかった。pSmad2/3L-Thr陽性細胞は正常部と腫瘍部の両者においてβ-catenin(正常部と腸炎部では細胞膜、腫瘍部では核と細胞質に発現)、CDK4と共染色した。・pSmad2/3L-Serは腸炎関連大腸癌モデルにおいて、発癌早期から発現が認められる重要なシグナルであると考えられた。pSmad2/3L-Thrは正常部では組織幹細胞に発現が認められ、腫瘍部においても同様の形質を示したことから癌幹細胞のマーカーとなり得る可能性が示唆された。・以上を英語論文化し、Journal of Crohn's and Colitis誌にて発表した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Smad2/3 linker phosphorylation is a possible marker of cancer stem cells and correlates with carcinogenesis in a mouse model of colitis-associated colorectal cancer2015

    • 著者名/発表者名
      Suzuki R, Fukui T, Kishimoto M, Miyamoto S, Takahashi Y, Takeo M, Mitsuyama T, Sakaguchi Y, Uchida K, Nishio A, Okazaki K
    • 雑誌名

      J Crohns Colitis

      巻: 9 ページ: 565-574

    • DOI

      10.1093/ecco-jcc/jjv073

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Carcinogenic and stem cell-like phenotypes of Smad2/3 linker phosphorylation in a mouse model of colitis-associated colorectal cancer.2015

    • 著者名/発表者名
      Toshiro Fukui, Ryo Suzuki, Masanobu Kishimoto, Yu Takahashi, Sachi Miyamoto, Kazushige Uchida, Akiyoshi Nishio, Kazuichi Okazaki
    • 学会等名
      APDW (Asian Pacific Digestive Week) 2015
    • 発表場所
      Taipei International Convention Center, Taipei, Taiwan
    • 年月日
      2015-12-03 – 2015-12-06
    • 国際学会
  • [学会発表] 小腸幹細胞様細胞マーカーとしてのpSmad2/3-L-Thrの可能性の検討2015

    • 著者名/発表者名
      福井寿朗 岸本真房 鈴木亮 高橋悠 宮本早知 松本泰司 谷村雄志 内田一茂 西尾彰功 岡崎和一
    • 学会等名
      第53回小腸研究会
    • 発表場所
      アイーナ(いわて県民情報交流センター)(岩手県・盛岡市)
    • 年月日
      2015-11-07 – 2015-11-07
  • [学会発表] 特定のリンカー部スレオニンがリン酸化されたSmad2/3蛋白(pSmad2/3L-Thr)の消化管上皮幹細胞マーカーとしての検討と応用2015

    • 著者名/発表者名
      高橋悠 福井寿朗 岡崎和一
    • 学会等名
      第103回日本消化器病学会近畿支部例会 ワークショップ2 次代を担う消化器研究 bench to bed
    • 発表場所
      大阪国際交流センター 大阪市
    • 年月日
      2015-09-26 – 2015-09-26
  • [学会発表] Carcinogenic and stem cell-like phenotypes of Smad2/3 linker phosphorylation in a mouse model of colitis-associated colorectal cancer.2015

    • 著者名/発表者名
      Toshiro Fukui, Ryo Suzuki, Masanobu Kishimoto, Kazuichi Okazaki
    • 学会等名
      GI Research Academy 2015
    • 発表場所
      ロイヤルパークホテル(東京)
    • 年月日
      2015-06-12 – 2015-06-12

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公開日: 2017-01-06  

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