研究課題/領域番号 |
25460941
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
柿崎 暁 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (80344935)
|
研究分担者 |
山崎 勇一 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (00582404)
堀口 昇男 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (10550022)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 炎症性腸疾患 / 核内レセプター / CAR / PXR / DSS腸炎 / 炎症性サイトカイン |
研究実績の概要 |
本研究は、核内受容体PXR・CARの症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)の病態における意義・小腸・大腸における生理的役割・生体防御機構への関与を明らかにすることを目的とした。 (1) DSS(dextran sulfate sodium)腸炎による潰瘍性大腸炎モデルでの比較検討 2.5%DSS飲水による潰瘍性大腸炎モデルを、WTマウス、PXR及びCAR KOマウス、PXR・CAR ダブルKOマウスで作成した。PXR及びCAR KOマウスはWTマウスに比較し、有意に腸炎が強かった。WTマウスにPXR Ligand (PCN)及びCAR Ligand(TCPOBOP)を投与することにより、体重、炎症、直腸出血などの腸炎所見が有意に改善した。Ligand投与による腸炎の改善効果は、KOマウスでは認められないことから、腸炎改善効果は、PXR及びCARを介していることが示唆された。作用機序として、PCN投与によりNF-kBの標的遺伝子の発現が低下していること、TCPOPOB投与はアポトーシスを抑制していることを確認した。免疫染色(F4/80染色)による検討で、PXR・CARはマクロファージなどの炎症細胞浸潤を抑制していることを確認した。 (2) PXR・CAR発現細胞でのシグナル伝達の解明 PXRをトランスフェクションしたHCT116細胞及びCARを恒常的に発現した細胞(Ym17 cell)をTNF-α刺激した状態で、PXR Ligandを投与すると炎症性サイトカインの発現を抑制することが示唆された。 以上、本研究で、核内受容体PXR・CARは、PXRが炎症性サイトカインの発現を抑制し、CARがアポトーシスを抑制することにより、相加的・相補的に潰瘍性大腸炎の病勢に防護的に働くことを示せた。
|