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2014 年度 実施状況報告書

炎症性腸疾患における腸管神経の関わりについて

研究課題

研究課題/領域番号 25460942
研究機関千葉大学

研究代表者

藤村 理紗  千葉大学, バイオメディカル研究センター, 助教 (30376363)

研究分担者 幡野 雅彦  千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20208523)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード腸管神経 / 一酸化窒素 / ニトロ化 / NO還元酵素 / 腸内細菌科
研究実績の概要

1,腸管組織における腸管神経由来一酸化窒素(Nitric Oxide:NO)による影響について。生体内において、NOは、活性酸素と反応し、その代謝産物であるPeroxinitrateは強力な毒性を持ち、細胞・タンパク・DNAに障害を与えることが知られている。Ncx-/-マウスにおいても、産生されたPeroxinitrateが腸管にダメージを与えている可能性があるため、その産生について調べた。Peroxinitrateそのものの検出は難しいため、Peroxinitrateによってニトロ化されるタンパクの検出を行った。Ncx-/-マウスの大腸組織はニトロ化されたタンパクが増加していた。さらに腸管上皮において、免疫染色を行ったところ、Ncx-/-マウスでは、ニトロ化されたタンパクが腸管上皮細胞でみられた。以上の結果から、Ncx-/-マウスの腸管では、nNOS由来NOが多く産生されており、その結果、腸管上皮細胞が障害を受けており、Ncx-/-マウスの腸管上皮におけるe-cadherinの発現低下は、以上の結果によるものであると示唆された。
2,腸管神経由来NO過剰による腸内フローラの影響について。NO還元酵素norVをもつ細菌は、脱窒反応を行い、ATPを合成し、嫌気条件において生育する。マクロファージは病原細菌を貪食すると、殺菌のためにNOを産生するが、norVを持つ大腸菌は、マクロファージ由来NOによる増殖抑制を受けないことが報告されている。そこで、糞便DNAを用いて、norV遺伝子について解析し、Ncx-KOマウスでは多くの個体が高いnorV遺伝子の含有を示した。以上の結果から、Ncx-KOマウスの腸管では、過剰なNOの環境下の結果、norV遺伝子を持った腸内細菌科の菌が増加していると考えた。
結果、腸管神経が腸管の恒常性の維持において、非常に重要な役割をもつことが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

腸管神経が腸管において、その恒常性の維持に対しどのような役割をもつのか、部分的に明らかにできた。

今後の研究の推進方策

腸管神経過剰であるNcx-/-マウスの腸内フローラを用いて、(1)次世代シークエンサーを用いた網羅的な解析を行う。(2)糞便移植実験により、腸内フローラそのものが悪化し、腸炎の原因であることを示す。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Role of enteric neurons in regulation of intestinal epithelial homeostasis2014

    • 著者名/発表者名
      Lisa Fujimura, Yukiko Ohara, Akemi Sakamoto, Masafumi Arima, Takeshi Tokuhisa, Masahiko Hatano
    • 学会等名
      第43回日本免疫学会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府京都市)
    • 年月日
      2014-12-10 – 2014-12-12

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公開日: 2016-05-27  

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