研究課題/領域番号 |
25460946
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
大島 茂 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50376787)
|
研究分担者 |
渡辺 守 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10175127)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | クローン病 / リンパ球 / 炎症 |
研究実績の概要 |
炎症性腸疾患における自己抗体産生機構を解析するため、クローン病感受性遺伝子A20欠損マウスを用いたモデルの作成を開始している。昨年までに、薬剤誘導性A20欠損マウスの樹立、A20欠損マウス樹立、T細胞特異的A20欠損マウスを樹立した。本年は、このマウスを用いて解析を開始している。 A20遺伝子は、ユビキチン調節機能を持ち、細胞株の検討にてオートファジーを抑制すると報告されていたが詳細については不明であった。本研究では、まず、自己抗体産生において重要な役割を担うCD4リンパ球においてA20の機能をオートファジーの観点から検討を行った。まず、A20欠損CD4細胞は、in vitro刺激にてLC3 puncta形成の低下、ミトコンドリアの腫大、ROS産生の増加を認め、その結果、A20欠損細胞の細胞数が減少することが明らかとなった。このことは、A20欠損細胞にてオートファジーが抑制されていることを示唆している。今度、この分子機構解析、生体内での機構を検討していく。 また、死細胞の貪食が自己抗体産生に関与している報告があるため、ネクロプトーシスの中心分子RIPK3とA20の関与を検討した。RIPK3がp62と複合体を形成し、casapse8依存的にp62 をcleaveすることを見いだした。さらにRIPK3がp62とLC3との複合体形成を制御する新規メカニズムを見いだした。この機構は、A20遺伝子発現にて阻害されることも見いだした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウスの系の樹立から、A20欠損リンパ球の機能を解析し、新規機構を見いだし始めている。今後は、新規知見を発展させ、ペプチド投与による腸炎モデルの樹立を加速していく。
|
今後の研究の推進方策 |
マウスの系の樹立から、A20欠損リンパ球の機能を解析し、新規機構を見いだし始めている。今後は、新規知見を発展させ、ペプチド投与による腸炎モデルの樹立を加速していく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
試薬等が計画当初より廉価で購入可能であったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
検討する数・種類を拡大して解析を行うため、試薬を 増量して購入する予定である。
|