研究実績の概要 |
本年度は昨年度に引き続き2型糖尿病モデルマウスBKS.Cg-Leprdb/Leprdb/Jcl(db/db)と正常コントロールであるBKS.Cg-+m/+m/Jcl(+m/+m)小腸を用いたICCの分取を行った。その後、摘出した小腸筋層を材料に、セルソーターを用いて蛍光標識KIT抗体によりラベルされたカハール介在細胞(ICC)を分取し、同細胞より抽出したRNAを用いてマイクロアレイ解析を行った。その結果、db/dbマウスICCにおいて顕著に上昇・低下している多くの遺伝子が見いだされた。+m/+mマウスICCに特異的に発現している分子としては、形質転換に関わる分子として、disintegrin-like and metallopeptidase (reprolysin type) with thrombospondin type 1 motif, 3 (Adamts3)、 disintegrin-like and metallopeptidase (reprolysin type) with thrombospondin type 1 motif, 13 (Adamts13)、carnosine dipeptidase 1 (metallopeptidase M20 family) (Cndp1)、Collagen, type XVI, alpha 1 (Col16a1)、zinc finger, matrin type 4 (Zmat4)など、また、Signal transductionに関わる分子としては、GTPase activating protein (SH3 domain) binding protein 1 (G3bp1)、NEDD4 binding protein 2-like 2 (N4bp2l2)、ATPase, H+/K+ exchanging, gastric, alpha polypeptide (Atp4a)などが見出された。上記に挙げた種々の細胞内シグナル伝達関連分子に加え、筋分化調節タンパクであるMyoD1や炎症性シグナルに関連する分子、サイトカインなどが特定され、これらの遺伝子をICCの糖尿病関連候補遺伝子としてリストアップすることができた。
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