研究概要 |
本研究では腸管粘膜のバリア機構を増強し、炎症反応制御に深く関与しているIL-22がIELより産生され小腸における難治性潰瘍性病変の粘膜防御機構に関与しているかどうかを評価する。具体的にはマウスより単離したIELがIL-22を産生するかどうか、またIELより産生されたIL-22が小腸上皮細胞(Intestinal epithelial cell:IEC)に作用し、innate immunityの増強がみられるか検討する。平成25年度はマウスよりIELを単離、フローサイトメトリーを用いて細胞表面のCD4、CD8、TCRレセプターを調べIELの分画を評価した。Real time PCRにてそれぞれの分画のIL-22の発現量を評価した。また、IL-22の産生を誘導すると報告されているいくつかのサイトカイン(Mizoguchi A, Inflamm Bowel Dis, 2012)や芳香族炭化水素受容体(Veldhoen M, Nature, 2008)によりIELを刺激し、ELISAを用いて蛋白レベルでのIL-22産生量を評価した。今後は産生されたIL-22がマウス小腸IECのprimary culture system(Yamada K, Biosci Biotechnol Biochem, 2009)を用いて、IL-22によるIECの粘膜防御機構に関わるような分子生物学的反応(STAT3活性化等)について細胞生理学的手法を用いることにより明らかにしていく予定であるが、現在マウス小腸IECのprimary culture systemの確立に難渋している。
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