研究課題/領域番号 |
25460948
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
杉本 健 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (20529507)
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研究分担者 |
大澤 恵 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (10397391)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 難治性小腸潰瘍 / IL-22 / 粘膜防御機構 |
研究実績の概要 |
本研究では腸管粘膜のバリア機構を増強し、炎症反応制御に深く関与しているIL-22がIELより産生され小腸における難治性潰瘍性病変の粘膜防御機構に関与しているかどうかを評価する。具体的にはマウスより単離したIELがIL-22を産生するかどうか、またIELより産生されたIL-22が小腸上皮細胞(Intestinal epithelial cell:IEC)に作用し、innate immunityの増強がみられるか検討する。平成26年度はマウスより小腸粘膜を単離し、IL-22の刺激にて小腸粘膜においてSTAT3が活性化されることが確認できた。現在、マウスよりIELを単離し、RNAレベルではIL-22の産生が確認できたため、どのような刺激で蛋白レベルでのIL-22の産生が増強されるかを確認している。平成27年度はin vivoにおける小腸でのIL-22産生調節機構と小腸上皮細胞に対する粘膜防御機構への関与を検討するため、インドメタシン誘発性マウス小腸傷害モデル(Fukumoto K, Int J Mol Med, 2011)の系を確立した。今後はこのモデルを使い遺伝子発現ベクターを用いて小腸粘膜局所にIL-22を強制発現させることにより、小腸の粘膜障害が改善させられるかどうかを明らかにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インドメタシン誘発性マウス小腸傷害モデル(Fukumoto K, Int J Mol Med, 2011)の系の確立に難渋した。しかし、餌を滅菌の餌から未滅菌の餌に変更することにより、高率に小腸への潰瘍形成を導入することが可能になった。なぜ未滅菌の餌を投与することにより小腸粘膜傷害形成が容易になるのか詳しいメカニズムはわかっていないが、腸内細菌のdysbiosisとの関連が推察され、今後この点に関しても探求する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
IL-22がIECに作用し、innate immunityの増強がみられることがex vivoにて観察できたため、今後はin vivoにおける小腸でのIL-22産生調節機構と小腸上皮細胞に対する粘膜防御機構への関与を検討する。インドメタシン誘発性マウス小腸傷害モデルの系は確立できたため、遺伝子発現ベクターを用いて小腸粘膜局所にIL-22を強制発現させることにより、小腸の粘膜障害が改善させられるかどうかを明らかにして行く予定である。
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