研究課題/領域番号 |
25460950
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山本 明子 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 准教授 (60402385)
|
研究分担者 |
石黒 洋 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (90303651)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | GPR40 / 脂肪酸 / 胆汁酸 |
研究概要 |
脂肪酸受容体の一つであるGPR40は、膵島β細胞に存在してインスリンを分泌させるだけではなく、腸管粘膜内の内分泌細胞に存在し食事中の脂肪を感知する。上部小腸にあるI細胞のGPR40に脂肪酸が結合すると、コレシストキニン(CCK)が分泌され脂肪の分解吸収の準備が整うと考えられている。しかし、小腸粘膜上の環境は絶えず変化しており、GPR40を介するシグナルが修飾される可能性がある。脂肪酸の存在様式(ミセル化とサイズ、イオン化)の変化による間接的な作用と直接作用の両者が推定される。本研究は、管腔を microperfusion したマウス小腸陰窩を用いて in vivo の 環境を再現し、細胞外/管腔内環境(胆汁酸、pH)が、GPR40 による脂肪酸のセンシングに及ぼす影響 を明らかにすることを目的としている。 まず、本年は、予備実験として、マウス GPR40を安定発現させたPC12細胞(PC12-mGPR40)を用いて、細胞内Ca2+濃度([Ca2+]i)に対する脂肪 酸の影響を検討した。胆汁酸(CA;コール酸)存在下に C12 脂肪酸を加えると Ca2+ oscillation が出現したが、GPR40を遺伝子導入していない PC12 -wild type 細胞では見られなかった。GPR40を介する脂肪酸と胆汁酸の相互作用が確認された。また、マウス小腸陰窩の単離及びマイクロパーフュージョンに成功した。今後この手法を用いて実験を継続していく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
予備実験として、マウス GPR40を安定発現させたPC12細胞(PC12-mGPR40)を用いて、GPR40を介する脂肪酸と胆汁酸の相互作用を確認するのに、細胞培養の実験条件を設定するのに時間がかかった。また、マウス小腸陰窩は非常に小さて、また、壊れやすく、これを単離し、マイクロパーフュージョンを行う手技の確立に時間を要した。
|
今後の研究の推進方策 |
GPR40を介する脂肪酸と胆汁酸の相互作用の確認を行い、また、マウスの小腸から単離した陰窩をマイクロパーフュージョンする手技も確立されたので、今後は、このマウスの小腸から単離した陰窩のマイクロパーフュージョンの手技を用いて、陰窩内の腸管内分泌細胞を共焦点顕微鏡下に同定し、脂肪酸および胆汁酸が神経内分泌細胞内の Ca2+シグナリングに及ぼす影響を in vivo において検討する予定である。
|