炎症性腸炎では様々な血液細胞が大腸に浸潤し癌微小環境を形成することが知られているが、注目されるのは癌関連線維芽細胞(CAF)である。我々はこれまでに、単球がMCP-1/CCR2 axisを介して傷害臓器に浸潤して線維芽細胞や筋線維芽細胞様細胞に分化しうることを確認しており、CAFも単球由来ではないかとの仮説を立てた。EGFPマウスの骨髄細胞を移植したマウスにAOM/DSS傷害を与えると、炎症の進行に伴い傷害腸にEGFP陽性の単球と線維細胞・線維芽細胞が増加し、これらの細胞浸潤は腫瘍形成と関連していた。また、Angiotensin II受容体阻害薬投与は大腸線維化ならびに腫瘍形成を抑制した。
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