MSC依存性腫瘍増殖機構は,CXCL12を介する血管新生とその他の機構に大別される.CXCL12発現は,多くの大腸癌細胞においてエピジェネティックに不活化されているが,MSC依存性血管新生が認められたCOLO 320細胞株では,CXCL12のプロモータが例外的に脱メチル化されていたにもかかわらず,AIDやTETはDNA脱メチル化酵素として作用しなかった.また,VEGFおよびCXCL12は単独ではMSCに対する依存性を説明し得なかった.一方,MSCは,ニッチシグナルを介してHT-29に間葉上皮転換を誘発し,その増殖を抑制した.
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