研究課題
【方法】①FAIRE-seq(Formaldehyde-Assisted Isolation of Regulatory Elements combined with high-throughput sequencing)は、ゲノム上のクロマチン構造を網羅的にシークエンスし、euchromatin=活性の高い部位をマッピングする方法である。本研究では、IBD患者ならびに非IBD患者の外科生検検体をFAIRE-seqした。②HDAC阻害剤のIBD治療における有用性を検討した。【結果】①74個のIBD関連SNPsがopen chromatinの部位に存在した。IBD関連SNPは、クローン病患者組織中のopen chromatin部位にに有意に増加していた。対照的に、IBDに関連しないSNPについてはそのような現象は見られなかった。また、腸管を含めたヒトの種々の臓器をFAIRE-seqで解析したところ、腸管に特異的なregulatory elementsが見出された。②HDAC阻害剤belinostatならびにpanobinostatは骨髄由来マクロファージからのサイトカイン産生を抑制し、腸炎モデルにおいても治療効果を有する傾向を示した。【考察】①クローン病腸管組織を使用したFAIRE-seqでは、non-coding regionに存在するSNPsが実際に腸管の免疫機能異常に関係している可能性が明らかになった。②HDAC阻害剤によるエピゲノム制御がIBD治療に有用である可能性が示された。
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J Gastroenterol
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巻: 51(3) ページ: 241-51
10.1007/s00535-015-1102-z