研究課題/領域番号 |
25460972
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
嘉数 英二 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 非常勤講師 (20509377)
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研究分担者 |
小暮 高之 東北大学, 大学病院, 助教 (70400330)
近藤 泰輝 東北大学, 大学病院, 助教 (70455822)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 非アルコール性脂肪性肝炎 / メタボローム解析 |
研究概要 |
本研究は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)におけるアミノ酸代謝と免疫病態の解析を目的とする。今年度の研究期間では,NASHモデルマウスの門脈血アミノ酸濃度をベースとした各種免疫細胞機能解析のセクションを中心的に進めた。まず野生型C57BL/6マウスの門脈血を採取しアミノ酸組成を高速クロマトグラフィーで解析した。更にメタボローム解析(CE-TOFMS)を用いて末梢・門脈血中のアミノ酸を含めた一次代謝産物を野生型マウスと肥満モデルマウス(ob/ob, kkAy)との間で比較した。グルタミン酸や分岐鎖アミノ酸などの一部のアミノ酸が末梢血と比較して門脈血中で高いことが確認できた。さらにこの解析結果から野生型マウスの門脈血アミノ酸濃度に一致した無血清培地を作製した。今後はこの独自の培養液を用いてin vitroで肝細胞と免疫細胞の機能解析をおこなう予定である。また、今回メタボローム解析の結果からアミノ酸だけではなくTrimethylamine N-oxideなどの一次代謝産物が肥満モデルマウスの門脈血中で有意に高いことが明らかとなった。これらの一次代謝産物に関しても肝細胞に与える影響をin vitroにおいてスクリーニングを行う予定である。in vitroで明らかに肝細胞の表現型に変化をきたすアミノ酸・代謝産物が同定できた場合はメカニズムを解析するとともにin vivoの実験に移行する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在までに、in vitroの解析を行うための新規培養液を作成した。この培養液を用いて肝細胞・免疫細胞の機能解析を進めているが現在までのところ表現型に明らかな変化をきたすアミノ酸・代謝産物は見つかっていない。今後、さらに培養条件を変えるなどの基礎検討が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
20種類のアミノ酸に変化が認められない場合は、メタボローム解析で得られたアミノ酸以外の代謝産物でもin vitroで添加実験を行う。in vitroで明らかな表現型の変化が確認できた後にそのメカニズムやin vivoの検討を進める。今年度、野生型および肥満モデルマウス(ob /ob, kkAy)の門脈血のメタボローム解析を行ったが、野生型において通常食と高脂肪食でも比較することを検討している。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は本研究課題の基盤となるマウス門脈血のアミノ酸組成を明らかするために、高速クロマトグラフィー・CE-TOFMSによる解析を委託にて行ったため「その他」の支出が大幅に増加した。一方で免疫細胞の解析がやや当初の計画より遅れているため、それによる物品費が低下し全体で次年度使用額で生じた。 次年度以降免疫細胞の分離・標識抗体や新規無血清培地の購入費のために使用する予定である。さらに、追加のメタボローム解析やマウスの委託試験に使用する予定である。
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