C型肝炎ウイルスの増殖に関与する代謝物質群をメタボローム解析を用いて網羅的に検討したところ、ウイルス感染に伴い変化するおよそ500種の代謝物を網羅的に同定可能であった。その結果、C型肝炎ウイルス感染細胞ではほぼすべてのアミノ酸の低下を認め、感染によって細胞内のアミノ酸合成が障害されている可能性が示唆された。また、TCAサイクル前半に位置するクエン酸、シスアコニット酸、イソクエン酸も感染細胞では著明に減少していたことから、C型肝炎ウイルス感染によって細胞内エネルギー代謝が阻害されている実態が明らかとなった。
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