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2014 年度 実施状況報告書

NASHの病態におけるNrf2とミトコンドリア異常の関与メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 25460983
研究機関新潟大学

研究代表者

川合 弘一  新潟大学, 医歯学系, 助教 (80419291)

研究分担者 須田 剛士  新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (10361916)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードNASH / NAFLD / ミトコンドリアDNA / Nrf2
研究実績の概要

本研究は、NASH モデルマウスを用いて、NASH の病態進展に伴ったミトコンドリアDNA(mtDNA)コピー数およびミトコンドリア酸化障害の変化とNrf2などのmtDNAコピー数の制御に関与する遺伝子発現量との関連を明らかにすることが目的である。現時点での進行状況を以下に示す。
1.モデルマウスの作成と臓器採取:非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、およびNAFLDに対する食事療法を想定した以下5群のモデルマウスを作成した。(1)メチオニン・コリン欠乏食(MCD)マウス:NASHモデル、(2)STAMマウス:NASH-肝細胞癌(HCC)モデル、(3)高脂肪食(HFD)マウス:NAFLDモデル、(4)HFD-食事介入マウス:食事介入モデル(6週齡からHFD投与、12週齡で通常食に変更)、(5)コントロールマウス。各モデルを、6、8、12、16週齡で屠殺し、肝からDNA、RNA、蛋白抽出し、骨格筋からDNA抽出した。
2.リアルタイムPCRによるミトコンドリアDNA(mtDNA)と核DNA(nDNA)の絶対定量:マウスのmtDNA上の遺伝子であるND1と、nDNA上の遺伝子であるβ-アクチンをクローニングし、プラスミドを調整した。TaqmanプローブによるリアルタイムPCRで、各プラスミドの希釈系列を用いて検量線を作成し、ND1とβ-アクチンのコピー数、すなわちmtDNAとnDNAのコピー数の絶対定量を行った。HFDでは肝、骨格筋ともにmtDNAコピー数が増加傾向となり、MCDでは肝、骨格筋ともにmtDNAコピー数が有意に減少し、食事介入によりコピー数が回復することを見出した。
3.ミトコンドリアの生合成と分解に関与する遺伝子発現量の測定:各モデルの肝におけるPGC-1α、Tfam、NRF1、NRF2、Keap1、LC3B、Parkin、Pink1のqRT-PCRを完了し、現在データを解析中である。
4.PGC-1αとLC3Bのウエスタンブロット:各モデルの肝におけるPGC-1αとLC3Bのウエスタンブロットを行い、現在誤差の大きい検体を再検中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

おおむね順調と考える。

今後の研究の推進方策

1.ALT、TCなど血清生化学検査を行う。2.現在施行中のPGC-1αとLC3Bのウエスタンブロットを完了する。3.HFDの定量的RT-PCRで特徴的な発現量低下のみられたParkinのウエスタンブロット。
4.肝ホルマリン標本における8-OHdG免疫染色(当初hOGG1で前処理した検体を用いたリアルタイムPCRによる酸化ストレスマーカーである8-OHdGの定量を計画していたが、hOGG1が販売停止となり入手困難となったため。)5.mtDNAコピー数、ミトコンドリア合成・分解系遺伝子の定量的RT-PCR、ウエスタンブロット、8-OHdG量の関連を解析し、これらの因果関係を検討する。

次年度使用額が生じた理由

ウエスタンブロット用抗体や試薬類を購入するために前倒し支払請求を行ったが、抗体使用量が予想より少量で済み、購入費用が抑えられたため。

次年度使用額の使用計画

主に、Parkinのウエスタンブロット用抗体や、8-OHdGの免疫染色用抗体、血液生化学用ELISA kit、各種試薬類の購入などに使用する予定である。

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公開日: 2016-05-27  

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