研究課題
海綿Amphimedonの酢酸エチル抽出物が抗HCV活性を持つことを見出し、この抽出物について分画精製を繰り返した結果、カロチノイドの1種である化合物の分離・同定が出来た。しかし、この精製化合物の抗HCV活性を検討した結果、抗HCV活性は全く無かった。この理由として、検討した精製化合物が精製途中で失活している可能性もあると考え、天然物よりカロチノイドを専門に精製し、ライブラリー化しておられる別の研究者の方から、同定したものと同じ化合物を分与頂き、再度、抗HCV活性について検討を行った。しかし、抑制活性は見られなかった。この結果、今回海綿Amphimedonより精製したカロチノイドの1種は、抗HCV活性を持つものではないことが確定した。そこで、現在、抗HCV活性を持つ他の精製画分について、その中に含まれる主要な化合物の分離・同定を試み、抗HCV活性を有する新たな海洋生物由来の化合物を探索中である。また、昨年度来続けていた培養細胞系を用いたHCV NS2/3 プロテアーゼ活性測定系の構築は、本年度、樹立に成功した。そこでそのアッセイ系を用いて、海洋生物の抽出物40種及び海洋生物由来精製化合物10種について、NS2/3 プロテアーゼ抑制活性の検討を行った。しかし、検討を行ったサンプルの中にはNS2/3 プロテアーゼ抑制活性を有するものは無かった。現在、新たな海洋生物抽出物ライブラリー及び海洋生物由来精製化合物を入手し、NS2/3 プロテアーゼ抑制活性を持つものについて探索中である。
3: やや遅れている
抗HCV活性を有する化合物の探索は継続的に行っているが、現在までのところヒット化合物が得られていない。
スクリーニングソースとして新たな海洋生物抽出物ライブラリー及び海洋生物由来精製化合物を入手し継続的に抗HCV活性を持つ化合物の探索を行う。
すべて 2014 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (3件) 備考 (2件)
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