研究課題
本研究より同定したHCV NS3ヘリカーゼ抑制活性を持つ海洋生物由来の幾つかの化合物は、ヒドロキシアントラキノン構造を持つことからHCV NS3ヘリカーゼ抑制活性にはヒドロキシアントラキノン構造が重要であると考えた。そこで、様々なヒドロキシアントラキノン誘導体を入手し、HCV NS3ヘリカーゼ抑制活性の強いものを探索した。その結果、HCV NS3ヘリカーゼ抑制活性の強い化合物としてsennidin Aとhypericinを見出した。次に、これら2つの化合物のHCV増殖抑制活性及び細胞毒性についてHCVレプリコン細胞を用いて検討を行った。その結果、sennidin AはHCV増殖抑制活性が見られなかったが、hypericinは細胞毒性が見られない濃度でHCV増殖抑制活性があった。更に、hypericinのHCV増殖抑制活性のメカニズムについて詳細に検討した結果、ATPアーゼ及びNS3タンパクのRNA結合を抑制することを見出した。従って、hypericin によるHCV NS3ヘリカーゼの活性低下は、ATPアーゼ及びNS3タンパクのRNA結合を抑制することによって起こり、その結果、HCVの増殖を抑制すると考えられた。また、NS2/3 プロテアーゼ活性抑制化合物については、昨年度から引き続き、海洋生物抽出物ライブラリー及び海洋生物由来精製化合物を入手し検討を行ったが、検討を行ったサンプルの中にはNS2/3 プロテアーゼ抑制活性を有するものは無かった。
すべて 2015 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (8件) 備考 (2件)
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