研究課題/領域番号 |
25461001
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
西島 亜紀 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40566105)
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研究分担者 |
戸田 修二 佐賀大学, 医学部, 教授 (80188755)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 脂肪毒性 |
研究実績の概要 |
HepG2肝細胞を単層培養し、ラット由来内臓脂肪組織(VAT)および皮下脂肪組織(SAT)の培養上清を投与したところ、VATの培養上清投与群でのみ肝細胞のアポトーシスが観察された。このことから、VATが肝細胞に誘導する脂肪毒性lipotoxityは液性因子を介していることが示唆された。 次に、HepG2肝細胞単層培養にadiponectin、leptinを投与したが脂肪毒性は誘導されなかった。脂肪酸投与では、高濃度のパルミチン酸投与でのみ脂肪毒性が誘導されたが、オレイン酸、リノール酸の投与では誘導されなかった。VATの培養上清中の濃度と同等の脂肪酸を混和し投与したが、脂肪毒性は誘導されなかった。 脂肪毒性の仲介因子としてadipokineの関与は乏しく、palmitateが一部に関与している可能性が示唆された。 種を一致させるために、ラット由来の肝細胞株RL-34を用いて、脂肪組織片との3次元培養を行った。VATとの共培養により、RL-34肝細胞のアポトーシスと脂肪滴蓄積が確認され、脂肪毒性が誘導されることが示された。 現在、ラット由来初代培養肝細胞を単離したのち肝スフェロイドを形成し、VATおよびSATの脂肪組織片との3次元培養を行っている。脂肪毒性について解析予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ラット由来の肝細胞株を用いて同様の結果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
ラット初代培養肝細胞から肝スフェロイドを作成し、VATおよびSATの脂肪組織片と共培養を行い、脂肪毒性について解析する。 また、脂肪毒性の仲介因子の候補として、脂肪組織から分泌されるアディポソームを回収し解析予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究機関の変更に伴い、研究が一時中断したため。
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次年度使用額の使用計画 |
アディポソームの解析を含め、脂肪毒性の仲介因子を同定するための解析に用いる。
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