脂肪肝炎発症に免疫老化による獲得免疫異常を疑い、マウス脂肪肝炎モデルを用いて肝内浸潤T細胞のFACS解析を行った。結果、老化及び脂肪化で肝内浸潤T細胞上に制御性マーカーであるPD-1の継続的な上昇がみられ、老化や脂肪化がその発現を助長していると考えられた。この変化は脾臓内や末梢血ではなく肝内に強いことから肝内に脂肪肝炎関連の抗原の存在が示唆された。さらに肝内のPD-1+CD4及びCD8陽性T細胞をソートし検討したところ、CD4+T細胞ではPD-1は抑制的に機能するが、CD8+T細胞ではむしろ活性化しており、CD8陽性T細胞のPD-1発現による機能異常が確認された。
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