研究課題/領域番号 |
25461010
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
持田 智 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (20219968)
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研究分担者 |
中山 伸朗 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (40292015)
菅原 通子 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20406458)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | HBV / ポリメラーゼ / terminal protein domain / 核酸アナログ / B型慢性肝炎 / Huh7 |
研究概要 |
核酸アナログ投与中止後に血清HBV-DNAの増加が速かった症例のHBV株は,何れもポリメラーゼ領域のterminal protein domain(TPD)のaa15-17がDDEで酸性アミノ酸が連続していた。しかし,遅かった症例では何れかが中性アミノ酸に変異したHBV株が見られた。治療中止後に血清HBD-DNA量が4.0 Log copies/mL以上になるまでの期間が4週未満(A群),4~12週(B群),12週以降(C群)であったHBV株から,genotypeがBjで,TPDのaa15-17のアミノ酸配列は異なるが,同一塩基から転写されるコア領域のアミノ酸配列は共通しているものを選択して,Huh7細胞に導入し,培養上清のHBV-DNA濃度を測定した。C群のHBV株のみがTPDのaa15-17のアミノ酸に酸性から中性への置換が見られ,培養6時間後のHBV-DNA濃度はC群に比してB群は5倍,A群は10倍高値であった。以上より,TPDのaa15-17のアミノ酸配列は生体内のみならずin vitroでもその増殖速度を規定していることが明らかになった。なお,増殖速度が遅いことが知られているgenotype AeのHBV株は,同領域のアミノ酸配列がほぼ全例でDDGであることが,自験例での検討およびデータベースの解析から判明した。従って,genotype BjないしCのHBV株であっても,同領域の塩基配列がgenotype Aeと同様に変異すると,増殖速度が低下する可能性がある。現在,その検証のために,同領域の塩基を組替えて,アミノ酸を置換した場合の増殖速度への影響を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
in vitro研究は順調に進み,ウイルス遺伝子の組み換え実験の承認が得られ次第,次のステップの検討を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
HBV株のポリメラーゼ領域YPDに関して,塩基を組替えてアミノ酸を置換することで,aa15-17の配列の意義を確定する。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定通り研究は進んでおり、当初の計画どおり次年度の研究を実施する必要がある。そのために経費が必要である。 当初の予定通り消耗費として利用する。 培養細胞株:200千円、オリコヌクレオチド合成200千円、標識試薬:200千円 PCR試薬:300千円、培養器具:100千円、培養試薬:200千円
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