研究概要 |
肥満糖尿病マウスであるob/obマウスに高脂肪食を投与し、拘束ストレスを連日負荷し、脂肪肝からNASHへの進展があるか確認を試みた。拘束ストレスを連日負荷し4週後に犠死させた。ストレス負荷により実験開始1週目には血清コルチコステロンが拘束ストレス群で高い傾向にあったが、その後徐々に対照群と有意な違いがみられなくなった。実験開始後4週目マウスを犠死させた際の血清TNF-alpha,IL-6,AST,ALTは有意な差を認めず、肝脂肪沈着に関しても有意な違いを確認できなかった。次にob/obマウスの脳室内に定位脳手術固定装置を用いてストレスホルモンであるCRFを持続注入する群を設定し、高脂肪食による影響を検討した。高脂肪食投与下で中枢性CRFを注入する群では実験開始1週目には血清コルチコステロンが高い傾向にあったが、その後徐々に対照群と有意な違いがみられなくなった。実験開始後4週目マウスを犠死させた際の血清TNF-alpha,IL-6,AST,ALTは有意な差を認めず、肝脂肪沈着に関しても有意な違いを確認できなかった。次にストレス負荷の際に交感神経およびノルアドレナリン作動性神経が活性化されるが、マウスの背側皮下より交感神経賦活薬であるノルアドレナリンを持続注入する群を設定した。ノルアドレナリンを持続注入する群をにおいては実験開始1週目には血清コルチコステロンがノルアドレナリン群で高い傾向にあった。実験開始後4週目マウスを犠死させた際の血清TNF-alpha,IL-6,AST,ALTはノルアドレナリン群で高い傾向を呈したが、肝脂肪沈着に関しては減少傾向を認めた。
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