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2013 年度 実施状況報告書

非アルコール性脂肪性肝炎進展におけるストレスおよび交感神経系の関与

研究課題

研究課題/領域番号 25461014
研究種目

基盤研究(C)

研究機関愛知医科大学

研究代表者

中出 幸臣  愛知医科大学, 医学部, 講師 (70431400)

研究分担者 伊藤 清顕  愛知医科大学, 医学部, 准教授 (50551420)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードストレス / CRF / 非アルコール性脂肪性肝炎 / ノルアドレナリン
研究概要

肥満糖尿病マウスであるob/obマウスに高脂肪食を投与し、拘束ストレスを連日負荷し、脂肪肝からNASHへの進展があるか確認を試みた。拘束ストレスを連日負荷し4週後に犠死させた。ストレス負荷により実験開始1週目には血清コルチコステロンが拘束ストレス群で高い傾向にあったが、その後徐々に対照群と有意な違いがみられなくなった。実験開始後4週目マウスを犠死させた際の血清TNF-alpha,IL-6,AST,ALTは有意な差を認めず、肝脂肪沈着に関しても有意な違いを確認できなかった。次にob/obマウスの脳室内に定位脳手術固定装置を用いてストレスホルモンであるCRFを持続注入する群を設定し、高脂肪食による影響を検討した。高脂肪食投与下で中枢性CRFを注入する群では実験開始1週目には血清コルチコステロンが高い傾向にあったが、その後徐々に対照群と有意な違いがみられなくなった。実験開始後4週目マウスを犠死させた際の血清TNF-alpha,IL-6,AST,ALTは有意な差を認めず、肝脂肪沈着に関しても有意な違いを確認できなかった。次にストレス負荷の際に交感神経およびノルアドレナリン作動性神経が活性化されるが、マウスの背側皮下より交感神経賦活薬であるノルアドレナリンを持続注入する群を設定した。ノルアドレナリンを持続注入する群をにおいては実験開始1週目には血清コルチコステロンがノルアドレナリン群で高い傾向にあった。実験開始後4週目マウスを犠死させた際の血清TNF-alpha,IL-6,AST,ALTはノルアドレナリン群で高い傾向を呈したが、肝脂肪沈着に関しては減少傾向を認めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初、拘束ストレスは安定して負荷が得られるストレスと考えられたが、本実験においてストレス馴化と考えられる問題があり、このため血清コルチコステロン濃度に有意な違いを得られなかった。同様に中枢性にCRFを投与する群においても拘束ストレス負荷時と同様な結果が得られたため、こちらも馴化が問題となるものと考えられた。急性実験においては有用な方法かと考えれたが、本実験のように慢性実験においては難しい側面があるものと考えれられた。

今後の研究の推進方策

拘束ストレスおよび中枢性CRFによるストレス負荷実験は馴化のため、実験系が不安定である可能性が考えれたため、ノルアドレナリンの持続投与系では高脂肪食負荷により脂肪肝へ影響を及ぼす可能性が考えられたため、今後は交感神経アルファ受容体刺激剤または交感神経ベータ受容体刺激剤の持続皮下投与モデルを作成し、高脂肪食による脂肪肝に及ぼす影響に関して検討を行っていく予定である。

次年度の研究費の使用計画

拘束ストレスおよび中枢性CRF投与により高脂肪食による脂肪肝形成に有意な違いを生じなかったため、平成25年度に施行する予定であった、マッソントリクローム染色による肝線維化評価を施行できておらず、このため本染色用の誌薬を購入する時期を延期したため。
ノルアドレナリンの持続投与系では高脂肪食負荷による影響に違いをしょうじさせる可能性が考えられたため、今後は交感神経a受容体刺激剤または交感神経b受容体刺激剤の持続皮下投与モデルに高脂肪食投与する実験を遂行し、マッソントリクロム染色を行う予定で使用予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Ex vivo induction of IFN-λ3 by a TLR7 agonist determines response to Peg-IFN/ribavirin therapy in chronic hepatitis C patients.2014

    • 著者名/発表者名
      Murata K, Sugiyama M, Kimura T, Yoshio S, Kanto T, Kirikae I, Saito H, Aoki Y, Hiramine S, Matsui T, Ito K, Korenaga M, Imamura M, Masaki N, Mizokami M.
    • 雑誌名

      J Gastroenterology

      巻: 49 ページ: 126-137

    • DOI

      10.1007

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Angiotensin II type 1 receptor antagonist prevents hepatic carcinoma in rats with nonalcoholic steatohepatitis.2013

    • 著者名/発表者名
      Tamaki, Y., Y. Nakade, T. Yamauchi, Y. Makino, S. Yokohama, M. Okada, K. Aso, H. Kanamori, T. Ohashi, K. Sato, H. Nakao, M. Haneda and M. Yoneda
    • 雑誌名

      J Gastroenterology

      巻: 48 ページ: 491-503

    • DOI

      10.1007

    • 査読あり
  • [雑誌論文] High levels of hepatitis B virus after the onset of disease lead to chronic infection in patients with acute hepatitis B.2013

    • 著者名/発表者名
      Yotsuyanagi H, Ito K, Yamada N, Takahashi H, Okuse C, Yasuda K, Suzuki M, Moriya K, Mizokami M, Miyakawa Y, Koike K.
    • 雑誌名

      Clin Infect Dis.

      巻: 57 ページ: 935-942

    • DOI

      10.1093

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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