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2013 年度 実施状況報告書

非B非C肝がんの新規危険因子同定:GWASとデータマイニングによる網羅的解析

研究課題

研究課題/領域番号 25461017
研究種目

基盤研究(C)

研究機関久留米大学

研究代表者

佐田 通夫  久留米大学, 先端癌治療研究センター, 客員教授 (10162398)

研究分担者 川口 巧  久留米大学, 医学部, 講師 (00320177)
川口 淳  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60389319)
山田 慎吾  久留米大学, 医学部, 助教 (50425188)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード肝がん / データマイニング / 遺伝子解析 / アルブミン
研究概要

近年、B型およびC型肝炎ウイルスが関与しない非B非C肝がん(NBNC-HCC)の患者数が著しく増加している。NBNC-HCCの危険因子は未だ明らかでなく、進行肝がんで発見されることから、新たな危険因子の同定は急務である。本年度、我々は、当院で診断された223名のNBNC-HCC患者(Case群)と、人間ドックを受診した176,886名からgenetic matchingにより選出された669名(Control群)を対象とし、データマイニングによりNBNC-HCCに関わる環境要因を網羅的に解析した。多変量解析の結果、NBNC-HCCに関連する独立危険因子として血清γGTP値(オッズ比 1.15; 95%CI 1.08-1.21; P<0.0001)、Brinkman index(オッズ比 1.17; 95%CI 1.05-1.30; P=0.0047)、および血清アルブミン値(オッズ比 0.67; 95%CI 0.60-0.70; P<0.0001)が同定された。ランダムフォレスト解析の結果、血清アルブミン値はCase群とControl群を最も識別しうる因子であった(98 variable importance)。決定木解析により、血清アルブミン値、血清γGTP値、Brinkman index、aspartate aminotransferase to platelet ratio indexの4因子にからなるNBNC-HCCのプロファイルが作成された。なかでも、血清アルブミン値は第一分岐の因子であり、4.01 g/dL以下の者の82.5%にNBNC-HCCを認めた。本年度、我々は、データマイニングにより血清アルブミン値がNBNC-HCCに関連する重要な因子であることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的は、非B非C肝がん(NBNC-HCC)の新規危険因子を網羅的解析により同定することである。
今年度、我々は、当初の予定通り1)ロジスティック回帰分析、2)ランダムフォレスト法、3)決定木解析の3つの異なる解析を完了し、血清アルブミン値がNBNC-HCCに関連する重要な因子であることを明らかにした。
現在、NBNC-HCC患者の遺伝子収集も同時に進行しており、これまでに15症例より検体を収集している。

今後の研究の推進方策

現在、遺伝子解析のための検体も収集しており、今後は非B非C肝がんの発症に関わる宿主要因を検討する。研究が当初計画どおりに進まず、NBNC-HCCに関わる遺伝子変異が同定されない場合は、低頻度変異(マイナーアレル頻度)について解析する。
また、今年度データマイニングにより同定した新規危険因子と肝発がんについて基礎的研究を行い、そのメカニズムを検討する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Serum albumin level is a notable profiling factor for non-B, non-C hepatitis virus-related hepatocellular carcinoma: A data-mining analysis2014

    • 著者名/発表者名
      Yamada S, Kawaguchi A, Kawaguchi T, Fukushima N, Kuromatsu R, Sumie S, Takata A, Nakano M, Satani M, Tonan T, Fujimoto K, Shima H, Kakuma T, Torimura T, Charlton MR, Sata M.
    • 雑誌名

      Hepatol Res.

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      10.1111/hepr.12192

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 肝癌と素因 糖尿病と肝癌2013

    • 著者名/発表者名
      川口 巧、佐田 通夫
    • 雑誌名

      The LIVER CANCER JOURNAL

      巻: 5 ページ: 258-266

  • [学会発表] 糖尿病を合併する肝疾患患者のがん有病率とがん関連因子

    • 著者名/発表者名
      川口 巧、國府島 庸之、市川 辰樹、清家 正隆、井手 康史、水田 敏彦、本田 浩一、中尾 一彦、中牟田 誠、佐田 通夫
    • 学会等名
      第17回 日本肝臓学会大会
    • 発表場所
      グランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)

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公開日: 2015-05-28  

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