研究課題
化学療法前と術前の膵癌症例から超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診・組織診(Endoscopic ultrasonography:EUS-FNA)を用いて、膵癌組織のtotal RNAを採取し、そのprofileの作成を継続している。また、膵癌幹細胞の代表的なマーカーとされるCD44やCD133などの発現の解析も行う。治療前の組織は、得られるが、化学療法後にFNAを行うことは困難で、治療後のRNAのprofile作成は中断している。また、膵癌細胞株(Panc1 ASPC1)と膵星細胞を用いて、interactionをみるとともに、そのmiRNA arrayを行い、抗癌剤治療前後の患者血液から採取したtotal RNAから行ったmiRNAのprofileと比較し、その差を検討している。また、EUS-FNAから採取した細胞を用いてATP assayの手技を用いた抗癌剤感受性試験の可能性を模索している。症例の臨床情報と病理組織学的特徴を詳細に検討し、予後を追跡している。さらに、EUS-FNA検体と手術標本の凍結切片からLaser capture microdissectionを行い、RNAのprofileを作成中である。Panc1 MiaPaca2 BxPc3などの膵癌細胞株を用いて通常の培養液に抗癌剤を混合することで抗癌剤耐性株を作成する。ここから得られた細胞株の遺伝子発現プロファイルと実際の症例から得られた膵癌組織の遺伝子発現プロファイルの差を比較する。また、抗癌剤耐性に関与するmiRNAの同定も行う。平成26年にEUS-FNAに関連した学会発表を行った。
3: やや遅れている
患者検体の収集が難しいことと、臨床検体からのRNAや組織を安定して採取することが困難であること、また化学療法後に膵臓の組織を採取することが困難であることが、要因である。
臨床検体の採取と平行して、in vitroやin vivoの実験を行う。
実験に使用する消耗品、薬品類は昨年からの余剰品でまかなうことが可能であったことと、miRNA arrayを複数回行う予定が、1回のみであったことが、理由である。
前年に施行予定であったmiRNA arrayの他にヌードマウスを用いたin vivoの実験、また学会発表の旅費などで使用する予定である。
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Pancreas
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