我々は、膵癌細胞の浸潤・転移を抑制する分子としてBARTを同定した。本研究では以下の項目の実験を終了した。(1) BARTは低分子量 G タンパク質であるARL2の活性を抑制し、Rho GTPaseであるRhoA活性を亢進させて膵癌細胞の浸潤・転移を抑制する。 BARTと結合するARL2内の特異的結合部位を同定した。(2) BARTはRho GTPaseであるRac1に直接結合し、Rac1活性を低下させて膵癌細胞の浸潤・転移を抑制する。BARTと結合するRac1内の特異的結合部位を同定した。これらの実験により、BARTとARL2およびRac1との結合を阻害するペプチドを合成することができた。
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