研究課題/領域番号 |
25461029
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研究機関 | 医療法人徳洲会札幌東徳洲会病院付属臨床研究センター |
研究代表者 |
水上 裕輔 医療法人徳洲会札幌東徳洲会病院付属臨床研究センター, 臨床生体情報解析部, 部門長 (30400089)
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研究分担者 |
蘆田 知史 医療法人徳洲会札幌東徳洲会病院付属臨床研究センター, IBD研究部, 研究員 (50261409)
盛一 健太郎 旭川医科大学, 医学部, 講師 (70455715)
井内 康之 医療法人徳洲会札幌東徳洲会病院付属臨床研究センター, その他部局等, 研究員 (90640615) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | がん低侵襲診断 / 液体生検 |
研究実績の概要 |
本課題では、当初、担がん個体の血液中に含まれる間質系前駆細胞を利用したがんの診断・モニタリングシステムを計画したが、むしろ血液中の核酸に直接その原因を見いだすことがより近道であると考えて計画の一部を変更した。 平成26年度には、膵癌や大腸癌をはじめとする消化器癌を対象として、血漿中の変異型KRASの検出に関するプロトコール作成を行った。平成25年度に、担癌患者の血漿には180bpにピークを持つcell free DNA(cfDNA)が健常人に比較して高濃度で検出されることを確認したが、これらのDNA断片をデジタルPCRで増幅し、変異配列に対する特異性の高いプローブにより選択的に検出することを試みた。これまでに、局所進行癌の切除例において血漿と原発巣試料のそれぞれから得られる遺伝子変異の解析結果が一致するかについて検証した。その結果、KRAS Exon2の増幅産物からcodon 12および13のhot spot変異を極めて高い精度で検出し、定量的しうる事が確認できた。 このような血漿における“driver mutation”の検出は進行癌では比較的容易だが、良性腫瘍や前癌病変、さらにhigh-risk患者を対象とした報告はこれまでになかった。そこで、膵癌の前駆病変あるいはhigh-risk状態と理解されている膵管内乳頭粘液性腫瘍(Intraductal Papillary Mucinous Neoplasm of the Pancreas; 以下、IPMN)患者を対象とした血漿解析(切除例においては原発巣との対比も行う)を現在進めている(多施設共同研究;UMIN000012810)。これまでに約80例のIPMN患者が登録され、本腫瘍におけるdriver mutationであるKRAS(codon 12, 13)およびGNAS(codon 201)が血漿中に検出可能か、そのコピー数が悪性度の指標となるかを検証している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の目的に到達するためのアプローチを一部修正し、データの蓄積を確実に進めている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度のため、成果をまとめて論文発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
端数となった約800円の執行が困難であったため、その分を繰越とした。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度の消耗品にあてる。
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