研究課題/領域番号 |
25461032
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中村 正直 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (60467321)
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研究分担者 |
大宮 直木 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (00335035)
後藤 秀実 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10215501)
山村 健史 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (10709091)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | カプセル内視鏡 / 過敏性腸症候群 |
研究概要 |
過敏性腸症候群の患者においては腸管運動が不安定になりやすく、カプセル内視鏡の胃もしくは小腸通過時間の遅延が危惧されるため、初めに同患者も含めたカプセル内視鏡通過に関する後ろ向きの検討を行った。結果、過敏性腸症候群では有意にはその通過に影響を与えず、画像狭窄や生活活動性の低下が影響したことがわかった (Nakamura M, et al. The Clinical Usefulness of the Novel Tag-Less Agile Patency Capsule Prior to Capsule Endoscopy for the Patients with Suspected Small Bowel Stenosis. Digestive Endoscopy in press)。また、前向き臨床観察研究である「カプセル内視鏡を用いた消化管運動機能に関係する因子の前向き研究」を名古屋大学医学部生命倫理審査委員会に申請し承認を得た。本研究ではカプセル内視鏡を行う患者において、カプセル内視鏡の通過に影響する背景(腹部手術歴、小腸狭窄性病変、糖尿病など)に加え、検査中の生活動作の程度を計るため歩数計を装着し、歩行や食事などの活動が消化管運動にどう影響するかカプセル内視鏡の通過を指標に多因子を用いた解析で調べることとした。事前の研究で得られた画像狭窄を有する患者と生活動作の制限された患者は慎重なエントリーを検討して、過敏性腸症候群を含むカプセル内視鏡を行う患者をリクルートしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
カプセル内視鏡システムが途中でバージョンアップし、旧タイプと新タイプの機種で施行した検査をひとまとまりにして解析するにはバイアスがあるためタイプを統一するためのタイミングを待ったため、研究はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
前向き臨床観察研究である「カプセル内視鏡を用いた消化管運動機能に関係する因子の前向き研究」で、過敏性腸症候群を含むカプセル内視鏡を行う患者のリクルートを続ける。名古屋大学医学部附属病院の掲示板で案内し参加者をリクルートする。また外来に受診する患者に案内する。施行した患者のカプセル内視鏡を読影し、臨床カルテ上からカプセル内視鏡の通過に影響する背景(腹部手術歴、小腸狭窄性病変、糖尿病など)と、検査中の歩数を確認する。カプセル内視鏡の画像解析により過敏性腸症候群の消化管運動パターンを既報のごとく下痢型、便秘型などに分類する。以前の解析方法が正しいか実証する。以上の情報を基に歩行や食事などの活動が消化管運動にどう影響するかカプセル内視鏡の通過を指標に多因子を用いた解析で調べる。昨今、腸内細菌叢が消化管運動の不安定性、過敏性腸症候群に影響を与えているとの報告が散見されるため、過敏性腸症候群を多角的に評価するには患者の腸内細菌叢も調べる必要があることがわかってきた。同患者の便中に存在する数多くの菌種の腸内細菌について遺伝子解析を行うことにより過敏性腸症候群に特徴的なパターン、更には下痢や便秘で異なるパターンを保有するかどうかを調べる。この検討には対象群として健常人のエントリーも必要になるが、大腸内視鏡やカプセル内視鏡で受診される患者が候補になる。この研究は名古屋大学医学部生命倫理審査委員会に申請する。
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次年度の研究費の使用計画 |
25年度にカプセル内視鏡の購入を予定していたが、そのバージョンアップに伴い計画を変更する必要があり、カプセル内視鏡の購入を見送ったため。 今年度にカプセル内視鏡の新しいシステムが整えばカプセル内視鏡を購入する。もし間に合わなければ腸内細菌叢の遺伝子検索の費用に充当する。
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