我々は以前に小腸カプセル内視鏡画像において、その腸管管腔を表す形態が過敏性腸症候群(IBS)の患者と健常人では異なることを見出した。本研究の目的はIBSにおけるカプセル内視鏡検査の詳細な特徴を調べ、IBSの客観的診断ができないか検討することであった。カプセル内視鏡の消化管通過に影響する因子として腹痛が関与し、有症状時のカプセル内視鏡像は特にIBSに特徴的な画像である可能性が示唆された。一方、大腸カプセル内視鏡の通過に関係する因子を調べたところ便秘は関与するがそれ以外の症状は影響されなかった。故にIBSの診断は有症状時に施行し、その画像解析を行えば有用であることが示唆された。
|