研究概要 |
GEM感受性遺伝子:hENT1,TS, Deoxycitidine kinase (dCK), Ribonucleoside reductase regulatory subunit M1, M2 (RRM1, RRM2) 発現の定量法を以下の方法で検討。 1. 少量細胞から直接遺伝子増幅→ PCR法:細胞から実際にRNAを抽出し、PCR法を用いてGEMやS1、nab-Paclitaxelなどへの感受性遺伝子の発現の検索を行う。2. 採取した少量の細胞を培養の上増殖→ 免疫細胞染色又はPCR法:少量の細胞を洗浄し、コラーゲンディシュ上で培養・増殖させ、増殖した細胞に免疫細胞染色またはRNAを抽出し、1.と同様にReal time PCRを行う。これは癌細胞の増殖能は高いことから容易に増殖するという仮定の下に行う検討である。3. 培養細胞をマウスなどに移植し増殖した主腫瘍または転移巣から腫瘍組織を採取→ 免疫染色またはPCR法:2.で得られた細胞をラットの膵臓、または門脈内に注入し、担癌ラットモデルを作成し、主腫瘍または転移巣から組織を採取し、免疫染色またはPCR法にて定量を行う。4. EUS-FNBで得られた膵癌組織ホルマリン固定パラフィン包埋標本を用いる→ 免疫組織学的定量かつRNA抽出、PCR法 (High Pure RNA Paraffin Kit使用、Real time PCR)。1~4の方法のうち、感度・特異度の高いものをGEM感受性遺伝子発現レベル検査法とする。 上記の方法にて得られたEUS-FNABで得られた少量細胞のGEM感受性遺伝子発現レベルの結果とNCRTの治療効果として、(1) 臨床効果:RECIST分類による画像上の腫瘍縮小率および腫瘍マーカー(CA19-9)の減少率、PET-CTにおけるSUV減少率 (2) 組織学的効果(Evans分類による評価)、(3) 予後(全生存期間、無再発生存期間)、再発形式との関係をprospectiveに検討する。他の抗がん剤(S1、nab-Paclitaxel)においても同様の方法で検討を行う。
|