研究課題/領域番号 |
25461034
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
六車 直樹 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (90325283)
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研究分担者 |
高山 哲治 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10284994)
中川 忠彦 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 学術研究員 (40634275)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 潰瘍性大腸炎 / 大腸癌 / 分子イメージング |
研究概要 |
本研究では、潰瘍性大腸炎を背景に生じてくる大腸癌をターゲットとした分子イメージング法の開発に取り組んでいる。初年度は計画を若干変更して大腸癌で高頻度に発現するEpidermal Growth Factor Receptor(EGFR)を標的とした分子イメージングに関する基礎的検討を行った。 方法:1)ヒト大腸癌細胞におけるEGFR発現数を、モノクローナル抗体を用いたフローサイト-メトリー法により算出した。2)大腸癌細胞に蛍光標識抗体を反応させ、共焦点レーザー顕微鏡下に観察を行い、蛍光強度を定量化した。3)ヒト大腸癌細胞移植ヌードマウスを用いてEGFR発現のin vivoイメージングを小動物用イメージングシステム下に行い、CT像と比較検討した。4)AOM投与8か月後に形成されたラットの大腸癌に細径内視鏡を挿入し、抗EGFR抗体を反応させ管腔側からのin vivoイメージングを行った。 結果:1)大腸癌各細胞における細胞膜表面上のEGFR数は蛍光強度と相関を示した。2)腫瘍移植ヌードマウスにおけるEGFRのin vivoイメージングでは蛍光動態が良好に観察された。3)細径内視鏡によりラットの大腸癌に発現しているEGFRに特異的なシグナルが確認された。 大腸癌細胞株においてEGFRの発現程度がイメージに反映され、小動物を用いた実験系においてもin vivoでEGFRの発現をイメージングすることが可能であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
徳島大学病院消化器内科などで診療中の潰瘍性大腸炎患者を対象に大腸内視鏡検査中に認められたcolitic cancerあるいはdysplasiaを疑う病変よりサンプリングを進めている。複数のヒト大腸癌細胞株を用い、作製した標識抗体を反応させ、徳島大学分子イメージングセンター所有の共焦点レーザー顕微鏡にて生細胞観察を行う実験系、ヌードマウスを用いるin vivo分子イメージングの実験系、ICGラベル化抗体を局所散布ののちに小動物用のイメージング機器であるAVS社製細径内視鏡(マウス用軟性プローブ)にて観察する実験系は技術が安定してきている。
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今後の研究の推進方策 |
症例数が十分数に満たない場合は徳島大学関連病院消化器内科(徳島県立中央病院、徳島市民病院、徳島赤十字病院など)のhigh volume centerに依頼し、倫理委員会の承認を得てデータ収集が可能な環境を整える。 蛍光特性の評価、分子イメージングにおける技術的問題は同キャンパス内の薬学部、工学部、分子イメージング部門の研究者に相談し、適切なアドバイスを受ける。
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