研究課題
本研究では、膵疾患に対して、超音波内視鏡を用いた診断・治療法を開発し、その有用性を検討することを目的とした。平成27年度は、造影ハーモニック超音波内視鏡が膵嚢胞性病変の良悪性鑑別診断に有用であることを報告した(Endoscopy 2015)。造影ハーモニック超音波内視鏡において壁在結節の存在が確認された場合、感度97%、特異度75%、正診率84%であり、通常の超音波内視鏡より優れていた。造影ハーモニック超音波内視鏡は、胆膵悪性腫瘍のリンパ節転移診断においても有用であり、通常の超音波内視鏡による診断よりも優れていた。(World J Gastroenterol 2016)。ERCPあるいは超音波内視鏡下胆管ドレナージ術が困難な悪性遠位胆管閉塞例に対して、超音波内視鏡下胆嚢ドレナージ術を施行し、この新規治療が遠位胆管閉塞に対する治療選択肢のひとつとなりうることを報告した。(Gastrointest Endosc 2016)。また、急性閉塞性化膿性胆管炎に対して、緊急超音波内視鏡下胆管ドレナージ術が有用であることを報告した(World J Gastroenterol in press)。さらに、悪性胃十二指腸閉塞に対する消化管ステント留置において、治療無効、偶発症発生、となる要因解析を行った(Gastrointest Endosc in press)。また、その他の超音波内視鏡下診断・治療の有効性および偶発症についての報告を行った(Endoscopy 2015, J Hepatobiliary Pancreat Sci 2015, Gastrointest Endosc in press)。尚、臨床研究は、「ヘルシンキ宣言」、「人を対象とする医学系臨床研究に関する倫理指針」および「臨床研究に関する倫理指針」に従って、近畿大学医学部の倫理委員会承認後に実施した。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 謝辞記載あり 9件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)
Gastrointest Endosc
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1016/j.gie.2015.10.044.
Endoscopy
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World J Gastroenterol
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