研究課題/領域番号 |
25461037
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
建部 俊介 東北大学, 大学病院, 助教 (90456062)
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研究分担者 |
福本 義弘 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (70363372)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 肺高血圧症 / 右心機能 / 糖代謝 / 脂肪酸代謝 / インプットインピーダンス / 心臓PET / 心臓MRI |
研究概要 |
本研究の目的は、先進的な放射線画像診断および侵襲的血行動態検査を行い右室心筋代謝、右室肺血管力学的特性、肺循環の形態・機能の観点から肺高血圧と右心不全の病態を解明し、肺高血圧症患者の予後改善に寄与することである。研究は脂肪酸シンチとFDG-PETによる右室脂質・糖代謝の評価、圧-流量ワイヤーによる肺動脈インプットインピーダンスの測定、3次元フェーズコントラスト法による肺血流のベクトル解析の3点からなる。 研究1に関連し、継続研究を行っている27名の肺動脈性肺高血圧症患者の右室自由壁FGD取込み亢進と長期予後について学会報告を行った。また新たに慢性血栓塞栓性肺高血圧症、特発性肺動脈性肺高血圧症患者の右室自由壁BMIPPとFDGの取込みが亢進が、治療により改善することが認められた。また同時に評価した血中マーカーの検討で、慢性血栓塞栓性肺高血圧症患者には中等度以上の腎機能障害、インシュリン抵抗性が合併しており、肺動脈バルーン形成術によってそれら指標に改善が認められ、更にそれらの改善率と6分間歩行の改善率に有意な相関が示された。 研究3では当院放射線科 大田助教との共同研究として行われている。7名の肺動脈性肺高血圧症、18名の慢性血栓塞栓性肺高血圧症の患者をリクルートした。MRIの4D flowを行い、主肺動脈内の渦流を評価した。多変量解析では渦流の程度と右心カテの主肺動脈圧との間に有意な相関が認められ、渦流の評価が新たな肺高血圧症のバイオマーカーとなる可能性があった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究対象となる肺動脈性肺高血圧症、慢性血栓塞栓性肺高血圧症の患者は、当院が脳死肺移植の認定施設である大学病院であるため、比較的紹介が多い。また左心疾患による肺高血圧症は肺動脈性肺高血圧と比べ頻度が高い。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、対象患者の紹介を関連施設に働きかける。また学会、研究会、論文の発表を積極的に行い、認識を高める努力を行う。紹介された患者に関しては、特にフォローアップデータ取り忘れのないように共同研究者、他科医師、紹介先などとの連絡を密にしてゆく。
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次年度の研究費の使用計画 |
想定していた学会参加旅費が国内のみとなり、経費が抑えられたため。 平成26年度は海外学会への参加を予定しており、平成25年度分と併せて執行を行う予定である。
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