本研究の目的は冠攣縮性狭心症(VSA)患者における日内変動のメカニズムを明らかにすることである。冠攣縮誘発試験を施行した連続49例において白血球Rho-kinase活性を1日3回(12時、21時、6時)測定した。VSA群のRho-kinase活性は6時に最高値を示し、対照群より有意に高値であり、両群間のRho-kinase活性変動パターンは異なっていた。さらにVSA群の白血球Rho-kinase活性は冠動脈basal tone、収縮反応と正相関し、交感神経活性とは負の相関を認めた。以上から、Rho-kinase活性はVSA発作の日内変動を生み出す機序に関与する可能性が示唆された。
|