遺伝的不整脈疾患Andersen症候群患者由来のiPS細胞から分化誘導した心筋細胞を用い、病態の解明と有効な薬剤の検索を行った。多電極アレイを用いた解析にて、疾患群で不整な細胞外電位と異常な細胞内Ca2+濃度上昇を認めた。これらはフレカナイド(FL)で抑制され、他のNaチャネル抑制剤で抑制されなかった。NaCa交換系(NCX)のreverse mode阻害剤KB-R7943にて異常な細胞内Ca濃度上昇は抑制され、FLはNCX電流を増大した。以上より、Andersen症候群でFLはNCXを介して不整脈を改善すると考えられ、疾患特異的なiPS細胞は病態の解明や新しい治療法の開発に有益と考えられた。
|