研究課題
サルコイドーシスにおける炎症反応は活性化されたT細胞とマクロファージにより成り立っているため、循環血中単球の量的・質的変化はサルコイドーシスの有用なバイオマーカーになり得る可能性がある。我々は、上記研究の目的に基づき、単球サブセットと心サルコイドーシスの活動性について検討した(Orii M, et al. Circulating CD14++CD16+ Monocyte Subsets as a Surrogate Marker of the Therapeutic Effect of Corticosteroid Therapy in Patients With Cardiac Sarcoidosis. Circ J. 2015 Mar 31. [Epub ahead of print])。結果、副腎皮質ステロイド内服群は、非内服群に比較して有意に炎症性単球は低値であった。新規発症の心サルコイドーシスに対して投与前後に炎症性単球を計測し、投与後その値は有意に抑制された。従来の活動性マーカーである血清ACE値とFDG PETで評価した炎症活動性とは相関が認められなかったが、我々が用いた炎症性単球とFDG PETでの炎症活動性は有意に正相関した。以上により炎症性単球は心サルコイドーシスの炎症活動性を評価する際に、有用な血清マーカーであることを証明することができた。同時に心サルコイドーシス症例でかつ副腎皮質ステロイドを内服している症例における、ミノサイクリンの有用性について患者登録・フォローの継続を行っている。
2: おおむね順調に進展している
単球サブセットと心サルコイドーシスの活動性について関係性および、炎症性単球が当疾患の活動性における有用な血清マーカーであることを証明した。また、副腎皮質ステロイド内服をしている心サルコイドーシスに対するミノサイクリンの有用性についても、患者登録はおおむね順調で定期フォローも継続して行っている。
当該症例の登録を引き続き可能な限り進める。登録症例についての解析を行う。
前年度の物品使用額が予算よりも下回ったため。
次年度に研究の必要物品購入予定。
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Circulation journal
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J Am Soc Echocardiogr
10.1016/j.echo.2015.02.018.
Biomed Res Int.
巻: 2014 ページ: 15
10.1155/2014/897956.