研究課題/領域番号 |
25461065
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
星出 聡 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90326851)
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研究分担者 |
苅尾 七臣 自治医科大学, 医学部, 教授 (60285773)
中山 美緒 自治医科大学, 医学部, 臨床助教 (20468333)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 携帯型自由行動下血圧計 / 高感度加速度センサー / サーカディアンリズム / 睡眠の質 / 身体活動度 |
研究実績の概要 |
本研究の目的の一つである高感度加速度センサー(ACT)が付随した携帯型自由行動下血圧計の開発については臨床応用可能なレベルまで達成した。実際に52名に行い解析可能であったのは46名であった。血圧測定は30分間隔で測定し、ACTは、0.5秒ごとにX, Y, Z軸3方向の加速度を感知・評価可能であるため、今回の検討では1秒ごとの加算成分を計算し、血圧測定5分前の3方向成分の積算値または平均値を身体活動度とした。本装置を用いて、血圧、脈拍数、身体活動度は適切に評価可能であった。X軸のセンサーは、体の軸に対して前後の動きを感知するため、同軸が0値になる場合は、この時間が就寝、起床の時間であることが評価できる。それは対象者が申告した就寝、起床時刻と一致した。24時間、覚醒時、睡眠時に分けた各々の血圧レベルと身体活動度の関係をプロットして検討を行った。24時間、覚醒時収縮期血圧と身体活動度は同方向の相関関係を認めているが、睡眠時収縮期血圧とはその関係とは反対の相関を認めた。これらは対象者ごとに異なっていた。今回の検討からは、身体活動に対する心血管反応は個々の症例によって異なるものであり、これに介入を行うことは個別に対応しなければならないものであるといえる。 46名のうち心疾患既往歴を有する患者は10名であった。24時間収縮期血圧と身体活動度の相関について検討したところ両群で差を認めなかった。患者背景に唯一差を認めたのはβ遮断薬の使用で、心疾患患者では100%であり、結果への影響は大きい。 今後は、症例数を積み重ねるとともに、ACTから得られた情報を時間帯別の詳細な検討を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究のメインとなる装置の改良に時間を費やした。理由として従来の血圧情報と比較にならないほど情報量が膨大になりバッテリーの問題が生じた。現在、24時間を安定してモニタリング可能になったため実際に臨床現場で使用をはじめた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は当初の予定通り、心疾患患者を中心とした症例の登録を続ける。身体活動度の解析が不十分なところがあるため、更なる解析を続ける。個々の症例に応じた、心血管反応アルゴリズムの構築を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
開発中の携帯型自由行動下血圧計の市販化が遅れたため、26年度での購入がなかったため、残金が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
携帯型自由行動下血圧計の購入費用およびデータ整理等のための研究補助員の人件費に使用する予定である。
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