研究課題/領域番号 |
25461069
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
稲葉 博隆 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10511454)
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研究分担者 |
松下 訓 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20407315)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 心房利尿ペプチド |
研究概要 |
本年度は投与する心筋幹細胞の準備を行った。文書による同意を得られた症例のうち、左心耳切除術を施行された患者の左心耳を使用した。得られた左心耳を20-30mg切り出し、これを約80-100の切片に細かく刻んだ。トリプシン処理ののちこれを10㎝のディッシュ上で1か月間培養した。心筋幹細胞の質の検討のため1か月後に細胞を剥離、得られた細胞数をカウントするとともに、細胞の一部を用いてフローサイトメトリー解析を行った。GFP-conjugate c-Kit抗体を用いてc-Kit陽性細胞率を測定した。年齢・性別および疾患群によって組織採取を行い、患者背景の差異で使用する細胞にばらつきが生じるのか、もし生じるとすればどの程度なのかを検討した。結果、若年女性で細胞の増殖能が高かったもののc-Kit陽性細胞含有率は各群で差は見られなかったことか確認できた。 次に、使用する細胞の質をなるべく均等にするため、術中に左心耳が大きく採取出来た症例から、心筋幹細胞培養を行った。多くの細胞を得るため初回培養がコンフルエントになった後さらにこれを2回継代、凍結保存した。 現在はHANP遺伝子を導入すべくアデノウィルスベクターを作成し導入効率を確認している段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
まずは本研究で使用する細胞の培養が確立し、その細胞の性格づけが行えた。本研究では使用する細胞が一つの大きな軸であり、細胞培養方法が確立し、十分量の細胞がストックできたことから、概ね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
得られた細胞にhANP遺伝子がきちんと導入されるのか、遺伝子導入によって細胞の分化や増殖能にどのように変化が生じるのか、さらに低酸素に対する耐性が生じるのかどうかなどをin vitroで検討する。 その結果を踏まえて免疫抑制マウスを用いたin vivoの検討を行う予定である。
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