研究課題/領域番号 |
25461076
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
尾崎 行男 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (50298569)
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研究分担者 |
渡邉 英一 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (80343656)
井澤 英夫 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (80402569)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 急性冠症候群 / プラークびらん / プラーク破綻 / OCT / IVUS / CT / 心筋梗塞 / 不安定狭心症 |
研究概要 |
不安定狭心症(UA)と急性心筋梗塞(AMI)からなる急性冠症候群(ACS)は、冠動脈プラークの破綻とそれに引き続く血栓形成が主なメカニズムとされてきたが、病理学的にはプラーク破綻(rupture)は3分の2で、残る3分の1はプラークのびらん(erosion)によるものと報告されている。私たちはCT上の陽性リモデリングとソフトプラークの存在により、将来のACSを予見できることを報告する一方、光干渉断層法(OCT)などの侵襲的な冠動脈内イメージングの手法を用いればプラークのびらんと破綻の鑑別診断も可能であることを明らかにしてきた。今回、急性冠症候群35例と安定狭心症群22例に、OCTおよび血管内エコー(IVUS)をPCI前に施行した。プラーク破綻が認められた25例をプラーク破綻群 (Ruptured Fibrous Cap; RFC-ACS)、線維性被膜に破綻を認めないプラークびらん群10例 (Intact Fibrous Cap; IFC-ACS)、および安定狭心症群22例の3つに分類し解析を行った。OCTによる線維性被膜厚の測定ではプラーク破綻群(RFC-ACS)が最も薄く、びらん群(IFC-ACS)、安定狭心症(SAP)群になるに従い厚くなることが確認された(RFC:45±12μm,IFC:131±57μm、SAP:321±146μm、P<0.001)。またIVUSによるリモデリング指数はプラーク破綻群が他の2群より有意に高値となっていた(RFC:1.14, IFC:1.00, SAP:0.95, P<0.001)。冠動脈CT画像については、プラークの脂質成分、リモデリング指数、ポジティブリモデリングの有無の各指標は、RFC-ACS群が他の群より有意に大きくなる傾向が認められ、今後症例を積んでこれらの関係もより明らかにしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
症例も順調にエントリーされており、研究はほぼ順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後、より多数例を集め、より詳細な画像解析、統計解析を順次進めて行く方針である。
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次年度の研究費の使用計画 |
新たな症例をエントリーするために冠動脈内イメージングデバイスや画像媒体を新たに購入する必要があるため。 冠動脈内イメージングデバイスや画像媒体購入。
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