心エコー検査時洞調律で器質的心疾患を有しない高血圧患者1118例を対象とし、その後の心房細動発症に関与する背景因子ならびに心エコー指標を縦断的に調査した結果、多変量解析で有意な独立規定因子となったのは、年齢、喫煙歴、および慢性腎臓病(CKD)の合併であった。また、各種降圧薬ならびにスタチンが心房細動発症におよぼす影響を検討した結果、種々の交絡因子で調整した場合、レニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬のみが心房細動の新規発症を有意に抑制していた。すなわち、日本人高血圧患者においてCKDの合併は心房細動発症の強力なリスク因子となり、一方RAS阻害薬は心房細動の新規発症を抑制することが示された。
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