目的:高比重リポ蛋白コレステロール(HDL)はコレステロール引抜きに加え多彩な抗動脈硬化作用を有するも、慢性炎症や糖尿病などの病態下では「機能不全HDL」となる。本研究では簡便かつ再現性をもってHDL機能を包括的に評価できる方法を確立するとともに、臨床応用にむけ心血管リスク層別化における有用性を検討した。 結果:1) HDL機能を修飾するミエロペルオキシダーゼおよびパラオキソナーゼ1の血清中での比率は冠動脈疾患のリスク層別化に有用であった。2)放射性同位元素や細胞を用いずにHDLのコレステロール取り込み能を評価する測定系を確立し、冠動脈疾患の層別化に有用であることを明らかにした。
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