研究課題/領域番号 |
25461087
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
杉岡 憲一 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60382149)
|
研究分担者 |
上田 真喜子 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10137193)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 心血管イベント / 脳梗塞 / 動脈塞栓症 / 大動脈プラーク / 不安定プラーク / バイオマーカー / 経食道心エコー |
研究実績の概要 |
近年、わが国では、食生活の欧米化、高齢化社会の到来、メタボリック症候群の増加などの社会背景により、冠動脈疾患のみならず、大動脈、頸動脈、下肢動脈などの全身におよぶ動脈硬化性疾患が急速に増加してきている。この中でも大動脈の動脈硬化性病変(大動脈プラーク)は、脳梗塞や動脈塞栓症の発症をもたらすため、その予知・予防や発症メカニズムの解明は重要なテーマである。本研究では、大動脈プラークの進展や不安定化に対し、炎症および酸化ストレスに関与するバイオマーカーおよび心血管画像診断法による多面的アプローチにて検討し、そのメカニズムを解明することを目標としている。本年度は、大動脈プラークの無症候性脳梗塞への影響を検索する目的で、非弁膜症性心房細動例において、経食道心エコーで検出した大動脈の不安定プラークと、頭部MRIで評価した無症候性脳梗塞との関連について検討した。その結果、大動脈の不安定プラークの存在は、左房内異常と同等に無症候性脳梗塞と密接な関連があることが示され、大動脈の不安定プラークは症候性のみならず無症候性脳梗塞においても重要な危険因子であることが示唆された。これらの結果については、学会および学術誌にて発表する予定である。また、大動脈プラークとバイオマーカーとの関連についての研究においても、現在、大動脈プラークを検索した経食道心エコー施行例の血液検体採取は順調に進んでおり、現在、これらの結果解析をおこなっているところである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、経食道心エコーで検出した大動脈の不安定プラークと、頭部MRIで評価した無症候性脳梗塞の存在が密接に関連していることを見出した。これらの結果については、学会および学術誌にて発表する予定である。本研究の大きな柱である大動脈プラークとバイオマーカーの関連についての検討は、症例数が300例を超え、現在解析をすすめているところである。
|
今後の研究の推進方策 |
大動脈プラークとバイオマーカー解析のための血液検体採取をさらにすすめていくとともに、蓄積された血液データおよび画像診断の解析をおこない、それらの結果を学会や論文にて報告していく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、前年度からの検体および画像データの収集を継続し、蓄積された血液データの分析は一部のみしかできなかったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度は、蓄積された血液データの分析と、解析結果を発表するために、研究費を使用する。
|