研究概要 |
Frequency Domain OCT(FD-OCT)は,中心波長1,300nmの近赤外線帯の波長可変レーザー光の反射波の干渉解析から,最大10μmに達する空間解像度で組織性状を画像化できるイメージング装置である.カテーテル型FD-OCTの臨床使用により,従来では評価が不可能であった冠動脈プラーク内の微細構造を病理像に匹敵する精度で評価することが可能となりつつある.申請者らは,2006年に本邦での先駆けとして冠動脈疾患の診断にOCTを導入し,現在までに700症例を超える冠動脈プラークの観察と解析を行ってきた.特に,長期の観察期間中に血管内腔の狭窄が進展する冠動プラークのOCTでの形態学的特徴を解析し,TCFAとvasa vasorumが急速な内腔狭窄進展に対する予測要因であることを証明している(Uemura S, et al. Eur Heart J. 33:78-85, 2012.). 平成25年度においては,光学ナノパーティクルによって特異的に描出すべき冠動脈内の不安定プラークの臨床的特徴,頻度,および病態に及ぼす影響について,多数の臨床例を対象として検討した.特に,急性冠症候群を発症する基本病態としての特にプラークの破裂を伴わない責任病変の特徴を観察し,以下の論文として発表した. 1) Prati F, Uemura S, et al. OCT-based diagnosis and management of STEMI associated with intact fibrous cap. JACC Cardiovasc Imaging 2013:6;283-287. 2) Kato K, Uemura S, et al. Nonculptir coronary plaque characteristics of chronic kidney disease. Circulation Cardiovasc Imaging 2013:6;448-56. 3) Jia H, Uemura S, et al. In vivo diagnosis of plaque erosion and calcified nodule in patients with acute coronary syndrome by intravascular optical coherence tomography. JACC 2013:5 1748-58.
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