研究課題/領域番号 |
25461090
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
甲谷 友幸 自治医科大学, 医学部, 講師 (00458291)
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研究分担者 |
苅尾 七臣 自治医科大学, 医学部, 教授 (60285773)
星出 聡 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90326851)
江口 和男 自治医科大学, 医学部, 教授 (80364503)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 動脈硬化 / 血管内皮機能 / 血圧変動 |
研究実績の概要 |
目標の200症例の登録が完了した。SPβと24時間平均血圧値との相関を解析した結果では、安静時のSPβと収縮期血圧とは有意な相関はなかったが、SPβと拡張期血圧とは有意に相関していた。24時間自由行動下血圧で評価した夜間血圧でも、SPβと収縮期血圧とは有意差は出なかったものの、SPβと拡張期血圧は有意な相関が見られた。しかし、nondipperやモーニングサージなどの血圧日内変動の異常とSPβとの有意な関連は見いだせなかった。SPβと高感度CRPの間には有意な正の相関が得られた。脂質代謝因子の解析では、SPβは中性脂肪と有意な相関が見られた。関連については、他の因子との相関として、SPβはFMD測定時のベースラインの上腕動脈径に強く影響されることが分かった。上腕動脈径は体格、性別、年齢などに影響を受け、若年男性では大きくなる。そのために、血管径の大きい若年者でSPβは高値となり、SPβの解析にあたっては年齢あるいは血管径の補正が必要となる可能性が考えられた。年齢、身長、体重を補正しても、ベースラインの上腕動脈径はSPβの独立した既定因子であり、血管のリモデリングとSPβが関連する可能性も示唆された。高感度CRPとSPβが関連したことは、SPβの動脈硬化指標の背景として炎症の存在が考えられる。また、本研究の限界として、SPβは血管径や年齢に大きく依存することが判明した。これらの成果を日本循環器学会総会で発表し、血管不全学会でも講演を行っている。現在、それらの研究結果のまとめを行っており、論文投稿の準備を進めている状況である。
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