研究課題/領域番号 |
25461094
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
平山 篤志 日本大学, 医学部, 教授 (50459880)
|
研究分担者 |
廣 高史 日本大学, 医学部, 准教授 (10294638)
三俣 昌子 日本大学, 医学部, 教授 (40064589)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 動脈硬化 / インクレチン / GLP-1受容体作動薬 |
研究概要 |
月齢10~12か月のWHHLウサギを用いてコントロール群5羽、GLP-1-H群5羽の観察を行った。血管内超音波検査では実験開始時において両群においてプラークの割合や、プラークの成分において差は認めなかった。このことより、同等のプラークを有する2つの群の観察を行えたと考えられた。体重や採血においても実験開始前に明らかな差は認めなかった。コントロール群は生食、GLP-1-H群はGLP-1高用量の投与を行った。実験終了時において体重は2群において差は認めなかった。また再度血管内超音波を行ったところ、コントロール群、GLP-1-H群において、プラークは両群共に増加を認めた。また、プラークの占有率も同等であり、同等に増加したことがわかった。しかし、プラークの質において壊死性プラーク、石灰化プラークはコントロールにおいて有意に多く認められ、線維性プラークはGLP-1-Hにおいて多く認められた。実験終了時に採取した総頚動脈を組織標本として評価を行ったところ、コントロール群ではマクロファージ、石灰化を多く認め、GLP-1-Hでは平滑筋細胞および線維性組織を多く観察した。病理組織からは実験終了時においてGLP-1-Hにおいて動脈硬化の不安定化が低いことが示されたが、血管内超音波と合わせることで、GLP-1-Hはコントロールと比較して経時的に血管内のプラークの質を安定化させえることが示唆された。ただし血管内超音波は血管内イメージングデバイスの一つであり、今後別の血管内イメージングデバイスであるOCTの解析次年度以降において必要である。また、GLP-1容量を変更したGLP-1-L群の検討も次年度以降において必要である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コントロール群、GLP-1-H群において当初予定した目標頭数を達成することができた。画像診断および組織学的評価については血管内超音波について概ね順調に解析は行われており、組織学的評価についてもある一定の結果を得ることができたが、今後更なる詳細な解析が必要と考え、次年度以降も引き続き研究を継続する必要がある。
|
今後の研究の推進方策 |
現在までにコントロール群、GLP-1-H群において目標頭数を達成することが可能となった。今後はGLP-1-L群において実験を施行することで目標頭数の達成を目指す。また、OCT等の血管内イメージングの解析が不十分であるため、今後は組織学的評価と比較した血管内イメージングの解析も同様に行う。また、組織学的評価においても更なる詳細な評価を行っていく予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
血管内イメージング(IVUS、OCT、血管内視鏡)の一部において再利用可能となり、血管内イメージングの購入頻度が減少した。しかし、今後再利用の限界が生じると考えられ、繊細な画像イメージングを得るためには新規の血管内イメージングデバイスの購入が必要。 新規血管内イメージングデバイスの購入、血管内イメージングおよび病理組織に対する画像解析の継続、バイオマーカーの解析、GLP-1-L群に使用するウサギの購入費、飼育費、実験費用、人件費等
|