研究課題
基盤研究(C)
目的1.肺高血圧/右心不全動物モデルにおける右室線維化/Rhoキナーゼ経路の分子機構の解明2.右心不全患者を対象とし、心筋生検サンプルをもちいて、右室線維化/Rhoキナーゼ活性を検討3.右室線維化/Rhoキナーゼ活性を検討し、予後マーカーとしての有用性を検討結果1.2種類の遺伝子改変マウス(内皮型NO合成酵素欠損(eNOS-/-)マウスおよびコラーゲン融解酵素抵抗性(ColR/R) マウス)を用いて、3週間の低酸素暴露により肺高血圧症を作成し、右室負荷を検討した。まず、3週間の低酸素暴露によりeNOS-/-マウスでは、ワイルドタイプ (WT) と比べ、右室収縮期圧および拡張末期圧が有意に上昇していたが、ColR/Rマウスでは、WTと同等であった。2.肺高血圧症に伴う右心不全で死亡した6名と、年齢性別をマッチさせた非心疾患死3名(コントロール)の右室剖検サンプルを用いて、その機序を検討した。その結果、右心不全を呈している右室では、右室肥大、間質および冠動脈周囲の著明な線維化、右室毛細血管の減少、マクロファージの増加に関与しており、さらにマトリックスメタロプロテアーゼ (MMP) -2 の発現およびRhoキナーゼ活性が亢進していることが明らかとなった。その一方で、MMP-9 およびRhoキナーゼアイソフォームであるROCK1とROCK2の発現はコントロールと比べ、有意差を認めなかった。3.右室のRhoキナーゼ活性の亢進を認めなかったため、右室線維化を指標に予後を追跡する予定である。
1: 当初の計画以上に進展している
1.2種類の遺伝子改変マウス(内皮型NO合成酵素欠損(eNOS-/-)マウスおよびコラーゲン融解酵素抵抗性(ColR/R) マウス)を用いた研究は、血行動態評価をほとんど終了している。今後は追加の病理病態的検討を行って行く予定である。2.肺高血圧症に伴う右心不全で死亡した6名と、年齢性別をマッチさせた非心疾患死3名(コントロール)の右室剖検サンプルを用いた検討はほぼ終了した。3.予後に関しては、右室線維化を指標に予後を追跡する予定である。
引き続き、基礎実験および臨床研究の継続を行っていく。
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Arterioscler Thromb Vasc Biol
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