研究課題
本申請研究は、生理活性をもつ脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)が前駆体proBNPから精製されるプロセシング過程における糖鎖修飾尾病態生理学的意義と底に関わる分子機構の同定、さらには細胞内エネルギーや老化などの細胞期の右舷かがそのプロセスに及び素影響の詳細を、新規開発した特異的proBNP測定法を使用し解明することにより、心血管代謝疾患の新たな診断法としてのproBNPの意義を明確にすると共に、proBNPプロセシング調節を標的とした心疾患の新規治療法開発の可能性を追求することを目的とするものである。本年度は、前年度に引き続き、I)臨床症例におけるproBNPの血中濃度測定、及びproBNP/total BNPの患者血清における検討を行っており、現在約750症例の検体が集まっており、それについて現在解析中であり、また一部のデータについてはPLOS ONE 2014;9(3):e92314に発表した。II)培養細胞を用いた糖鎖修飾部位とプロセシングの関係の検討においては、ある種の糖転移酵素のノックダウンやある種の液性因子による刺激でproBNPのプロセシング効率が変化する可能性を見出しつつある。また心不全モデル動物において、上記に関与する糖転移酵素の遺伝子発現についても検討中である。III)BNPヒト化ラットの作成についてはコンストラクトの作成中である。また、申請書に記載した平成26年後以降に予定されていた実験についても、上記の実験と関連して進行中である。
3: やや遅れている
平成25年度に予定していた申請書記載の実験について、一つ一つが予想以上に時間がかかったこと、またin vitroの実験については、主に初代培養心筋細胞を用いているため実験毎に細胞の調整が必要であったこと、proBNPの測定キットの供給が事務手続きの都合で一時途絶えていたこと、またBNPヒト化ラットの作成についても、予想以上にコンストラクトの作成が難しく時間がかかっていること、などにより、実験の計画が全体的にやや遅れている感がある。ただ、着実に成果は得られてきており、また臨床検体も順調に増加し、臨床的意義についても更なる検討が進むことが予想される。
基本的に着実に実験としては進行していると考えており、全般的には予定より若干の遅れはあるものの、引き続きこれまでのデータを下に平成26年度以降に予定をしていた実験についても適宜進めていく予定である。現在、proBNPのプロセシングに関わる糖転移酵素を明らかにできつつあり、その遺伝子発現調節機序などについても適宜検討予定としている。また患者データについては、特異的な心疾患(心房細動や心肥大、虚血性心疾患)などの症例についても検体を集めており、それらの臨床データを解析してproBNP(測定)の臨床的意義について更に検討する予定である。
当初は平成25行う予定であった実験内容を平成26年に引き続き施行し、もともと平成26年度に予定していた研究内容の一部を施行出来なかったため。
平成25,26年に予定していた実験愛用の未達成部分について、引き続き平成27年度に行う予定であり、それらに使用予定である。
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Cardiovascular Research
巻: 104 ページ: 183-193
10.1093/cvr/cvu185.
PLoS One
巻: 9 ページ: e92314
10.1371/journal.pone.0092314.