研究課題
本申請研究は、生理活性をもつ脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)が前駆体proBNPから精製されるプロセシング過程における糖鎖修飾尾病態生理学的意義とそれに関わる分子機構の同定、さらには細胞内エネルギーや老化などの細胞期の右舷かがそのプロセスに及び素影響の詳細を、新規開発した特異的proBNP測定法を使用し解明することにより、心血管代謝疾患の新たな診断法としてのproBNPの意義を明確にすると共に、proBNPプロセシング調節を標的とした心疾患の新規治療法開発の可能性を追求することを目的とするものである。本年度は、前年度、前々年度の研究を継続・発展させ、I)種々の臨床症例の検体を採取しproBNPの血中濃度測定、及びproBNP/total BNPの患者血清における検討を行っており現在も解析中である。II)培養細胞を用いた糖鎖修飾部位とプロセシングの関係の検討においては、プロセシングによる切断部位から、それに最も近い糖鎖結合部位の距離が、プロセシング効率に影響することを見出しAJP2015に報告している。また7カ所存在する糖鎖結合部位のうち、上記の部位を含む2カ所がプロセシング調節に必須であることも見出し、またこれらの制御が肥大刺激の下流におけるproBNP分泌に関与していることや、ある種の糖転移酵素が関与していることも見出した。また心不全モデル動物において、その糖転移酵素の遺伝子発現が変化していることも見出した。これらについては論文作成中である。III)BNPヒト化ラットの作成についてはコンストラクトの作成継続中であり、今後もin vivoにおける影響について検討を進める予定である。
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) 備考 (1件)
Cardiovasc Res.
巻: 109 ページ: 162-73
10.1093/cvr/cvv248.
Circ J.
巻: 79 ページ: 1893-4
10.1253/circj.CJ-15-0852.
Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol.
巻: 309 ページ: R639-49
10.1152/ajpregu00074.2015.
http://kyoto-u-cardio.jp/kisokenkyu/cat236/